この画像を大きなサイズで見るWikimedia Commons/John Bigg 18世紀前後のイギリスでは、土地持ちの貴族や富裕層の間で、奇妙な習慣が流行った。 自宅の庭の装飾品として、ノームの像や鳥の水浴び用水盤といった無機物だけでは飽き足らず、生きている生身の人間を雇って、敷地内に建てた庵のようなものに住まわせるのだ。 雇われた者は、庭の置物のように据え置かれ、主人が来客をもてなすときはいつも、いかにも隠遁者然とした格好をして姿を現わすことを求められた。彼らは「庭園隠者(ガーデン・ハーミット」と言われている。 庭園隠者の求人募集 庭園隠者は、たいてい契約の一般的条件が明記される新聞広告を通して募集された。条件は、たいていは7年契約で、雇い主の邸宅がある敷地の庭に作られた狭い小屋や洞窟の中で質素に暮らすことが求められる。 髪を洗う、爪を切る、敷地の境界から外へ出る、使用人と話すことは
