「まるで現代のナスカの地上絵」──。スマートフォンに搭載されているGPS機能を使い、走った軌跡で画面の地図上に絵や文字を描く「GPSアート」に挑戦するランナーが増えている。身近な動物や人の似顔絵、アニメや映画のキャラクター、東京の都心に北海道の形を描くなどユニークな作品がインターネット上に並ぶ。新型コロナウイルス禍でマラソン大会などのイベント中止が相次ぐ中、ランナーたちをひきつけるGPSアートの神髄を探った。 百聞は一見に如かず。まず、取材を始める前に筆者自身が挑戦してみた。幸い東京都杉並区の大きな地図が手元にあったので、「さて、どんな絵を描こうか」と広げてみた。ちょうどハロウィンの時期。カボチャ、おばけ、などとイメージして地図を眺めるが、思ったように道がつながらない。 早々に自力での作図は難しいと判断し、インターネットで検索したところ、カクカクとしたコウモリを描いた作品を見つけた。「これ