世界保健機関(WHO)は、アフリカのコンゴ(旧ザイール)を中心に拡大しているエムポックス(サル痘)について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に相当すると宣言した。 エムポックスの緊急事態宣言は、2022年から23年にかけて出されて以来2度目である。 より重症化しやすい「クレード1」というタイプのウイルスの広がりを受けたものだ。日本では未確認だが、「クレード2」と呼ばれる従来のタイプでは国内で200人以上が感染し、1人が死亡している。 政府はコンゴなどアフリカ7カ国への渡航注意を促す「感染症危険情報レベル1」を出している。水際対策の強化も検討すべきだろう。 都道府県の地方衛生研究所で検査が可能となっており、国立国際医療研究センターなどでは患者の接触者にワクチンを投与する体制を整えている。重症患者らを対象に治療薬の臨床研究も行っている。検査や診断体制に万全を期してほしい。 エムポック