安倍晋三元首相の国葬(国葬儀)をめぐり、賛否が割れている。だが、一部野党などが持ち出す反対論は根拠に乏しい。岸田文雄首相は国葬の意義を粘り強く説明し、追悼にふさわしい静かな環境づくりに尽力する姿勢が求められる。 反対論の中核は「法的根拠がない」との批判だ。立憲民主党の泉健太代表は7月22日の記者会見で「国葬の法的根拠や基準を明確にすべきだ」と指摘した。東京弁護士会や神奈川県弁護士会なども反対の声明を出している。 戦前には「国葬令」があったが、昭和22年に失効した。以降、「国葬」と明記された法律は存在しない。しかし、政府は安倍氏の国葬を行う法的根拠は明確に示している。政府は今回の国葬を「国の儀式」として行うことを閣議で決めた。内閣府設置法4条3項に基づく措置で、首相は7月14日の記者会見で「内閣法制局とも調整した上で判断している」と説明した。 堀内恭彦弁護士は「行政行為の一環として行うという