北海道の知床半島沖で観光船が沈没し、乗客14人が死亡した事故から8カ月以上が経過した。12月15日、事故について調査を進めていた国の運輸安全委員会は、沈没の原因がおおむね解明されたとして経過報告書をまとめ、事件の解明に一歩前進したかに見える。一方、運航管理者を務めていた桂田精一社長については、業務上過失致死の疑いで来年立件されると報じられている。事件当日の様子やその後の社長の対応などについて、改めて振り返る。 (以下、「週刊新潮」2022年5月5・12日号を再掲する。日付や年齢、肩書などは当時のまま) *** 【写真】家族の怒りを買った「足組み社長」の素顔 惨事は4月23日の土曜日、北海道は知床半島の西部沖合で起きた。 世界自然遺産に登録された知床の玄関口・ウトロの港には、知床の「沖合ツアー」を主催する観光船会社5社が事務所を置く。そのひとつ「知床遊覧船」の待合所に道内ほか、東京、大阪、福