【読売新聞】 【ロンドン=池田慶太】フィンランドで、北大西洋条約機構(NATO)への加盟申請を巡る政府の検討が最終段階を迎えた。ロシアのウクライナ侵攻を機に、フィンランドでは加盟を求める世論が急速に高まった。 ロイター通信などによる
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汚職事件の舞台となった千葉県四街道市の下志津病院(10日) 独立行政法人「国立病院機構」が運営する下志津病院(千葉県四街道市)の工事を巡り、物品を授受するなどしたとして、警視庁は11日、同病院元企画課長の 安彦(あびこ) 昌人容疑者(60)を収賄容疑で、電気製品販売会社「小松電器」(同県船橋市)社長の松丸隆行容疑者(43)を贈賄容疑で逮捕した。 小松電器を巡っては、同機構側に大規模な接待攻勢をかけていたことが判明し、今年3月に機構本部と12病院の職員計28人が解雇や停職などの懲戒処分を受けている。安彦容疑者はこの28人に含まれておらず、警視庁は、癒着がさらに広がっていたとみて調べる。 発表によると、安彦容疑者は在職中の2019年7月~20年9月、同病院のタイル改修工事などを小松電器が随意契約で受注できるよう便宜を図った見返りに、松丸容疑者から京都旅行や鉄板焼き店での飲食などの接待(約60万
インタビューに応じる伊吹文明元衆院議長=4月26日午後、東京都千代田区(松井英幸撮影)日本国憲法の施行は私が小学校4年生の時でしたから、今年の5月3日で75年です。私は改憲論者ですが、一方で国民主権や議院内閣制などの立憲主義の護憲論者と自負しています。もう75年たっていますから、憲法全体を点検し、どこを変え、何を守るべきかを国民に提示するのは、憲法に明記されているように国会の責任です。 憲法は30条を費やし国民の自由と権利を定めている。中国やロシアなど知る権利や表現の自由が制限されている独裁国家と比べ日本はなんて幸せな国かと思います。自由に政府を批判し、自由に投票し、権力を変える権利を行使できる。 終戦直後に比べ、国際情勢や日本人の価値観は随分変わりました。憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」はロシアのウクライナ侵略を目の当たりに
台湾の陳時中衛生福利部長(衛生相)は11日の記者会見で、新型コロナウイルスの新たな市中感染者が5万7188人確認されたと発表した。1日当たりの感染発表数は10日に初めて5万人超となり、11日付の台湾紙は「アジアでトップ」と報じた。 累計の市中感染者数は49万3410人で、うち42万1703人が今年の感染者。ただ、今年の感染者の99%超が無症状か軽症のため、蔡英文政権は接触者の隔離期間を短縮するなど緩和策も推進して「ウイルスとの共存」を目指している。 中央感染症指揮センターは今月下旬から来月上旬に感染のピークを迎えると予測している。先月の感染拡大以降、多くの企業が在宅勤務を実施し、繁華街などの人出は大幅に減少した。(共同)
韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が就任した 中国紙「環球時報」は社説で「中韓関係の処理は尹錫悦大統領こそもっとも有望」 米中対立が厳しさを増すなか、中国は韓国との関係維持を期待か 3月の大統領選で勝利した韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が10日、就任した。任期は5年間。ソウル市内の国会議事堂で就任式が行われ、尹大統領は就任演説を行った。 尹大統領は 自由民主主義と市場経済の体制を基盤に国民が真の主人となる国へと再建し、国際社会で責任と役割を果たす国をつくらなければならないという時代的な要求を受けてこの場に立った と語ったほか、北朝鮮問題について 北が核開発を中断し、実質的な非核化に転換すれば、国際社会と協力し北の経済と住民の生活の質を画期的に改善できる大胆な計画を準備する などと述べた。 中国紙、社説で意外な就任歓迎 尹大統領の就任について、中国はどう見ているのか。5年ぶりの保守政
非効率な行政サービスはいつの時代も批判にさらされる。改革が叫ばれるが、一向に改善する気配がない。その対策として叫ばれるのが、評価指標(KPI)、PDCAサイクルによる行政評価、エビデンスベースの政策立案といった民間手法の導入である。こうした耳に心地よい「焼畑農業」式の対策が、現場の荒廃を招いている。 現場力を損なう「逆三角形の構造」 「お役所仕事」とは、非効率の代名詞である。窓口に行っても不親切な対応で、話を聞いてくれない。利用できるサービスのメニューがなく、他の窓口を紹介される。足を運んでも「うちでできることはない」とたらい回し。高い税金を払っているのに、いったい何をしているのか。 この問題に対して、内閣府でちょっと面白いワーキンググループが設置されている(内閣府「計画策定等に関するワーキンググループ」)。ワーキンググループの結論を先取りすれば、効率的な行政運営を目指した「民間手法の導入
立憲民主党の性犯罪刑法改正に関するワーキングチーム(WT)で、中学生を性被害から守るための法改正を議論した際、出席議員が「50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」などとして、成人と中学生の性行為を一律に取り締まることに反対したことがわかった。 複数の党関係者によると、発言したのは50代の衆院議員。「年の離れた成人と中学生の子供に真剣な恋愛関係が存在する場合がある」とも語り、厳罰化に慎重な姿勢を示したという。 現在の刑法では、本人の同意があっても性行為自体を罪に問うのは13歳未満に限られている。中学生に対する性行為は、多くの都道府県条例で同意があっても処罰対象としているが、地域によっては結婚を前提とした交際関係などがある場合、対象から外している。 しかし、最近はSNSなどを駆使して大人が中学生に近づき、悪質な性犯罪に巻き込むケースが増え
中国海軍の空母「遼寧」が、厳重警戒すべき行動を続けている。沖縄南方の太平洋で連日行っている艦載機などの発着艦回数が計100回以上となったのだ。日本や台湾に近接した海域で活動しており、日を追うごとに台湾に近づいている。ロシアによるウクライナ侵攻が続くなか、「台湾侵攻」を想定した訓練を行った可能性もある。 「南西諸島と台湾に近接した活動であることを踏まえれば、懸念を持って注視せざるを得ない」 岸信夫防衛相は10日の記者会見でこう語った。 遼寧は、ミサイル駆逐艦や高速戦闘支援艦などの艦艇計8隻で2日、沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を南下。3~9日の間、沖縄・沖大東島の南西約160キロから石垣島の南約150キロの海域を航行した。艦載戦闘機J―15や、艦載ヘリコプターの発着艦が確認され、7日間で計100回を大幅に超えた。
7月の参院選まで約2カ月となった。自民党は連合や国民民主党に接近するなど野党分断の狙いがうかがえるが、立憲民主党や日本維新の会はどのように存在感を発揮できるのか。 岸田文雄政権の特徴は、何もしないが支持率が高いことだ。「雉(キッシー)も鳴かずば撃たれまい」というわけだ。 自民党内左派である岸田政権は左の朝日、毎日新聞からの受けはいい。読売新聞は岸田首相との距離感の関係なのか、これも緩い対応だ。そして、岸田政権は先手を打たないから、マスコミからも批判が出にくい。 そうした状況であるので、新聞に情報依存の高い中高齢層で岸田政権の支持率が高い。若者層ほど支持率が高かった安倍晋三・菅義偉政権とは対照的だ。 参院選ではウクライナ情勢を受けて、安全保障がまず注目されるが、岸田政権は核共有の議論をまともに行わないなど、ここでも何もしていない。憲法改正の議論もどこまで本気なのか。防衛費の国内総生産(GDP
憲法記念日(5月3日)は、新聞各紙が主張に沿った紙面づくりをするので、ある意味、最も色が出る日です。それゆえ、結論ありきでミスリードを誘うような見出しも増えます。 朝日新聞の1面トップの見出しは、「改憲議論の陰 遠のく生存権」「食料配布に100メートルの列 コロナ禍の2年で倍」でした。改憲を主張するのは社会的弱者の生活を省みない人たちで、護憲派は弱者の味方という二項対立に持ち込もうとするような思いが感じられました。 ただ、記事を読んでも「改憲派=弱者軽視」という根拠は書いていません。改憲派で弱者支援に積極的な人もいるでしょうし、逆に護憲派でも弱者救済にコミットしない人だっているはずです。 「改憲議論か」「弱者支援か」の二者択一にして、議論すら許さないとすれば問題です。エビデンスより、何となくの印象を自明のものとして語っている気がしました。 憲法論議というと、9条に代表される安全保障の問題と
【読売新聞】 木原誠二官房副長官は10日の衆院議院運営委員会理事会で、農林水産省が所管する法律の条文ミスを国会に報告せずに修正したとして陳謝した。 政府は農産品の輸出拡大のため、日本農林規格(JAS)法改正案を今国会に提出している。
【読売新聞】 半導体など国民生活や経済活動に大きな影響のある「特定重要物資」の安定供給を目指す経済安全保障推進法は11日の参院本会議で与野党の賛成多数で可決、成立した。 推進法は、〈1〉特定重要物資の安定供給支援〈2〉基幹インフラ(
「1980年代、日本は自前でワクチンをいっぱい作っていた。それがメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンのかけらもできないような状況に陥ってしまった。この状況から本気で元に戻す。新技術を導入したワクチンを国内で作れるようにしなければ、日本の未来は非常に厳しい」 4月4日、東京都内で開かれた「先進的研究開発戦略センター(SCARDA=スカーダ)」の第1回戦略推進会合。初代センター長に就任した科学技術振興機構前理事長の濵口(はまぐち)道成は、新型コロナウイルス禍で海外製が世界を席巻したmRNAワクチンを引き合いに出し、悔しさをにじませた。 SCARDAは次の感染症パンデミック(世界的大流行)に備え、3月に発足した、国産ワクチンの開発を推進する国の司令塔だ。
13年がかりの修復作業でカビなどが除去された西壁の「飛鳥美人」壁画=令和4年3月、奈良県明日香村の修復施設「飛鳥美人」壁画で知られる高松塚古墳(奈良県明日香村、7世紀末~8世紀初め)とともに、幻の鳥・朱雀(すざく)などが描かれたキトラ古墳(同)。極彩色壁画の古墳は国内にこの2つしかなく、壁画はいずれも墳丘内での保存が困難として専用施設に移された。文化庁の検討会委員として両古墳の保存に関わったのが、百橋明穂(どのはし・あきお)・神戸大名誉教授(73)=美術史。「高松塚は人の手が入りすぎたことで劣化につながった。人の力を過信したのが教訓」と指摘。「第3の壁画古墳が見つかれば、最小限の調査にとどめて石室を閉じ、後世の技術に託す判断も必要」と提言する。 高松塚古墳で壁画が発見されたのは昭和47年3月21日。大学院生だった百橋さんは「まさか日本にこれほどの壁画があるとはと、多くの専門家が興奮した」と
昨年開かれた自民党「性的指向・性自認に関する特命委員会」などの合同会議で発言する稲田朋美衆院議員(中央)。「LGBT理解増進法案」の国会提出は最終的に見送られた=昨年5月24日、東京・永田町の自民党本部(松本健吾撮影)昨年5月、自民党で検討されていた「LGBT理解増進法案」に対し異論が続出し、国会提出が見送られたことは記憶に新しい。わかりやすく説明すれば、身体は男性でも、自分で女性であると認識(性自認)するならば、周りの者は、その人が銭湯で女湯に入ることを認めなければ「差別」と非難されてしまうというのが「法案」の論理だった。この種の問題は、一般の人たちを「差別」と糾弾するのではなく、より慎重に議論することが重要であり、「法案」が潰れるのはやむを得ないことだった。 しかし今、この「法案」の焼き直しのような「性の多様性に係る理解増進に関する条例(仮称)」の制定が、埼玉県議会で進められている。
ウクライナ南東部マリウポリを進むロシア軍の車列(ロイター)俄には信じ難いと思った人が多かったのではないか。ロシアが平然とウクライナに侵攻した。戦争を忌避し、平和を愛好する日本国民にとっては衝撃的な事実だった。21世紀においても戦争は勃発するのだ。 戦後日本において至上の価値とされたのが平和だったが、その「平和主義」には致命的弱点があった。それは平和を如何に維持するのかという具体的で現実的な方策が一切語られてこなかったことだ。祈りさえすれば平和がおとずれるという幻想、憲法9条を守りさえすれば平和が実現するという全く非現実的な「平和主義」は、平和を愛好するという意味では尊いかもしれないが、平和は懸命な努力の上にしか成り立たないという平凡な真理を日本国民に忘れさせたという意味では、罪深い概念だった。 「汝、平和を欲するなら、戦いに備えよ」
子供政策の司令塔となる「こども家庭庁」の設置関連法案の審議が衆院で行われている。 これまで子供関連政策は、内閣府、厚生労働省、文部科学省に分かれていた。司令塔を一本化して縦割り行政を排し、総合調整するのが狙いである。 だが、国会で行われている法案審議を聞いていると心もとない。 その代表例が衆院内閣委員会における名称論議だ。野党から「家庭」の文言が入ったことへ批判や疑問の声が相次いだ。 「こども庁」の名称の方が、子供を権利主体とするなら適切だという声や、虐待を受けた子供には家庭という言葉自体が不安感を呼び起こすとの指摘もあった。 子供にとって深刻な問題を抱える家庭があるからこその「こども家庭庁」ではないのか。 家庭の自主性は本来重んじられるべきだが、周りが手をこまねいていては虐待やネグレクト(養育の放棄、怠慢)の被害にあう子供らを救えない。 今求められているのは、必要なときには躊(ちゅう)躇
韓国で新しく尹錫悦大統領が誕生した。5年ぶりの保守政権となる。 北朝鮮に断固として対処する考えを示していた尹氏は就任演説で、核開発の中断を求めた。 同時に尹氏は「実質的な非核化に転じれば、北朝鮮の経済を改善させる大胆な計画を準備し、平和的解決のため、対話の扉を開けておく」とも述べた。 核・ミサイル開発を続ける北朝鮮は7度目の核実験を強行する構えだ。中国は、台湾への政治・軍事的な圧力を強め、ロシアはウクライナ侵略を続けている。いずれも対話だけで何とかなる相手ではなく、圧力も欠かせない。 にもかかわらず、演説で日韓関係や米韓関係への言及がなかったのは残念だ。東アジアの平和と安定に向け、今ほど日米韓の連携が必要なときはない。文在寅前政権下では機能しなかっただけに、尹政権にとっては、日米韓の関係強化が外交上喫緊の課題となる。 それには文政権下で「戦後最悪レベル」にまで落ち込んだ日韓関係の正常化が不
【読売新聞】 北海道・知床半島沖での観光船「KAZU I(カズワン)」(乗客乗員26人)の沈没事故を受け、斉藤国土交通相は10日、海上保安庁の救助体制を強化する方針を示した。今回の事故では、最も早いヘリコプターで通報から到着まで約3
10日、就任式会場となったソウルの国会議事堂前広場を歩く韓国の尹錫悦新大統領(左)と金建希夫人(聯合=共同)尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領の就任でファーストレディーとなる金建希(キム・ゴンヒ)夫人(49)が注目の的だ。芸術分野の展示企画を手掛ける会社代表を務め、折々のファッションも話題となり、ファンサイトまで登場。政治家の配偶者としては異例の存在となっている。 10日の就任式にスーツ姿の尹氏と出席した金さんは、裾が広がった純白のドレスコートに白のパンプスで、群衆の中でひと際目を引いた。会場の演壇まで歩く尹氏の後を3歩ほど下がってついていき、「内助」を強く印象付けた。 韓国メディアによると、尹氏と金さんは僧侶の紹介で出会い、2年の交際を経て2012年3月に結婚。尹氏は当初、12歳の年の差があるため交際をあきらめようと金さんの名刺を捨てたが、後日、記憶していた電子メールで連絡をとり交際に
米ポップアート界の巨匠、アンディ・ウォーホル(1928~87年)が米女優マリリン・モンローを題材に制作した作品が、ニューヨークのクリスティーズで競売にかけられ、米国人芸術家の作品としては過去最高の1億9500万ドル(約250億円)で落札された。 コンテンポラリーアート(現代アート)の市場は今、世界的に過熱している。背景には近代以前の「名画」の品不足に加え、コレクターが競り落とした金額の多寡が作品の価値を決める傾向が強くなっている現状がある。 1990年代に入り、印象派など近代以前の巨匠たちの絵は軒並み美術館に収まってしまった。優れた美術品が市場に出回る機会は減り、市場全体の縮小が予想されるようになった。オークション会社などにとっては死活問題で、目を付けたのが安定的に供給が見込める現代アートだ。
5日、フィリピン南部タグンでの選挙集会で、支持者の歓声に応えるマルコス氏(森浩撮影)1986年2月、フィリピンの首都マニラのエドサ通りは、100万人の市民であふれかえっていた。独裁体制を敷いたフェルディナンド・マルコス大統領に抗議する人の波だ。 戒厳令を敷いて弾圧を繰り返したマルコス氏には市民の不満が高まっていたが、同年にコラソン・アキノ候補が勝利した選挙結果を覆したことで怒りが爆発した。圧力に抗しきれなくなったマルコス氏は、政界を去り、米ハワイに亡命した。マルコス氏の妻、イメルダ氏がマラカニアン宮殿(大統領官邸)に残した数千足といわれる靴は独裁者の富の象徴として今も語り継がれている。 一連の退陣劇は「ピープルパワー(民衆の力)政変」と呼ばれる。市民の怒りが独裁政権を打倒した様子は世界に衝撃を与え、以降、アジアや東欧などに民主化運動がドミノ倒しのように波及することになる。
5日、英ロンドンで記者会見に臨む岸田首相(代表撮影・共同)新型コロナウイルスの感染防止対策について、海外では緩和の動きが出ている。政府はこれまでに濃厚接触者の待機日数の短縮などを打ち出してきたが、マスク着用の〝解除〟や感染症法上の分類変更といった部分には踏み込めていない。専門家からの慎重な意見に加え、夏の参院選への影響を避けるため、政府は慎重な姿勢を取らざるを得ない状況だ。 マスク着用をめぐっては新型コロナの流行以降、欧米をはじめとして義務化する国が相次いだ。しかし、ワクチン接種が進んだことなどを受け、マスク着用義務の解除にかじを切る国が出ている。隣国の韓国は感染者数が世界的に見ても多い水準だが、韓国政府は今月2日から屋外でのマスク着用義務を原則として解除した。 こうした海外の動きを踏まえ、日本国内でもいつになったらマスクを外せるかが注目を集めている。政府や専門家らの記者会見などではたびた
ロシアによるウクライナ侵攻はルガンスク、ドネツクの東部2州での戦闘が膠着(こうちゃく)し、ロシアが意図した第二次大戦での対独戦勝記念日(9日)までの2州完全掌握には至っていない。むしろウクライナが押し返しており、戦争はさらに長期化の様相をみせている。投入できる地上兵力のほぼ全てをすでに展開させているロシアにとって、頼みとした雇い兵の供給も最近では途切れ、長期化は「敗北」への入り口に立つことを意味する。ただその場合、ロシアが戦術核兵器を使用する可能性が高まり、バイデン米政権は高度な政治判断を迫られることになる。 シベリアからも5万人ロシアが軍事大国とされるのは、保有する5000発を超す核弾頭や極超音速ミサイルなどの兵器の強大さ故であり、地上兵力は実は意外なほど少ない。
先日、ついに花粉症が再発した。日本ではスギ花粉症に悩まされたが、当地にスギが少ないせいか、赴任後の4年余りは症状が出ていなかった。最近は水っぽい鼻水が出て、だるく、市販薬を服用している。 この時期、近辺でカエデ科の木の花粉が飛散する。花粉症は異物を排除する免疫反応の誤作動だ。私の体はカエデ科の「異物侵入」が繰り返されるうち、誤作動し始めたのだろう。 実は、今年になって発症して、まだ良かったなと思うことがある。外出時、花粉防止のため、堂々とマスクを着けて歩けるからだ。 新型コロナウイルス禍前なら、マスク姿で歩けば、道行く人に奇異な目で見られたに違いない。米国で医療従事者でもなければ、マスク着用の「風習」がなかったと言ってよい。思い起こすと、風邪をひいたからといって、マスクを着ける人をみた記憶がない。 トランプ前大統領時代は「そんな妙なもの、着けてられるか」と言わんばかりの〝保守層〟が着用義務
9日、ウクライナ国旗の色にライトアップされたブランデンブルク門を訪れたドイツのショルツ首相(右)とフランスのマクロン大統領=ベルリン(ロイター=共同) 【ベルリン=三井美奈】マクロン仏大統領は9日、ベルリンを訪問し、ショルツ独首相と会談した。共同記者会見でマクロン氏は、ウクライナによる欧州連合(EU)加盟に難色を示しつつ、EUがウクライナを迎えて欧州のエネルギーや安全保障をめぐる新たな協力枠組みとなる「欧州政治共同体」を構築すべきだと訴えた。また、独仏首脳は、ウクライナとロシアの間で停戦交渉の再開を急ぐべきだと主張した。 マクロン氏はウクライナのEU加盟について、経済、法制度などの要件を満たすのに「数十年かかるかもしれない」として、早期実現は現実的ではないとした。代わりに、ウクライナや英国、バルカン諸国などEU非加盟の欧州各国とともに「欧州政治共同体」を作り、連携を図るべきだと主張した。シ
【マニラ=森浩】9日投開票のフィリピン大統領選は、1986年まで約20年間の独裁を続けたマルコス元大統領の長男、フェルディナンド・マルコス元上院議員(64)が勝利した。得票数で2位以下に倍以上の差をつける圧勝を収め、強権統治や不正蓄財が国際的な批判を浴びたマルコス一族の復権が決定的となった。 マルコス氏は9日発表のビデオメッセージで「支えてくれた全ての人にお礼を言いたい。将来のためにすべきことがたくさんある」と述べ、事実上勝利を宣言した。 地元メディアによると、10日発表の暫定集計(開票率約97%)では、マルコス氏が約3082万票を獲得し、約1470万票を得た2位のレニー・ロブレド副大統領(57)を突き放した。9日に同時実施された副大統領選では、マルコス氏と選挙戦で連携したドゥテルテ現大統領の長女、サラ・ドゥテルテ氏(43)が当選を決めた。 マルコス氏は交流サイト(SNS)での情報発信を通
2021年1月15日、米韓定例安保協議(SCM)の開催を前にソウル市内で握手するエスパー米国防長官(左)と韓国の鄭景斗国防相(いすれも当時 共同) エスパー前米国防長官は10日発売の回顧録で、トランプ前大統領が在任時に、韓国への貿易赤字に不満を募らせ在韓米軍撤退に固執していたと明らかにした。エスパー氏らは反対。ポンペオ国務長官(当時)が「大統領、在韓米軍撤退は2期目の優先事項にしましょう」と助け舟を出し、トランプ氏も「そうだな、2期目だな」と答えたという。 トランプ氏は2020年11月の大統領選で敗北し1期で退任、確執が伝えられたエスパー氏は同月、解任された。トランプ氏は18年の米朝首脳会談後に在韓米軍の縮小・撤退の可能性に言及したことがある。
【ソウル=桜井紀雄】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)新大統領は、外交・安全保障の中核を担う閣僚や大統領府高官に米国や日本に通じた専門家を起用し、日米韓安保協力の立て直しという「公約」実現に向けた陣容を整えた。ただ、文在寅(ムン・ジェイン)前政権を支えた巨大野党「共に民主党」の反対に遭って首相さえ任命できない多難な船出となった。 林芳正外相とも会談した外相候補の朴振(パク・チン)氏は、東京大や米ハーバード大に留学し、日米双方に通じたベテラン国会議員として知られた。代表団を率いて4月に訪米し、日韓関係改善への意欲を米側に表明した。 国防相に任命された李鐘燮(イ・ジョンソプ)氏も米韓同盟に関する専門性が評価された。大統領府の外交・安保の要となる国家安保室長には、大統領選当初から尹氏の外交・安保公約を立案してきた「米国通」の国際政治学者を充てた。国家安保室第1次官にも李明博(ミョンバク)政権時代に
元駐タイ大使 恩田 宗 豪州で人気の高い「ロバを連れたシンプソン」の英雄伝説に疑問符がついた。第一次大戦に従軍し300人超の負傷兵を銃弾の飛び交う中ロバで安全地帯に何往復も護送し戦死した兵士である。豪州魂マイトシップ(盟友結束の精神)の鑑として教科書に載せられ銅像や切手にもなった。第一次大戦の豪州の英雄の中で最も人気が高く最高の戦功章の「ビクトリア十字章」を与えるべきだとの声が高まり勲章の資格調査をしたところその人柄と行動に多々問題があり救った負傷兵の数も僅かだと判明し資格なしと決定された。日本でも上海事変の英雄「爆弾三勇士」は銅像や小学唱歌で称えられたが1974年雑誌「真相」によってあれは爆薬筒を敵の鉄条網に押し入れるのに手間取り退避が遅れての爆死で覚悟の上の自爆攻撃ではなかったと訂正されている。 ジョージ五世は即位の年(1911年)インドで盛大な式典(観衆9万人)を挙行し領土の全藩王に
駐スルタン・オマーン国大使 小林利典 2018年10月から2022年1月まで駐オマーン大使を務めて最近帰国した小林利典大使は、インタビューに応え、オマーンの特徴と魅力、在任中に経験したことや力を入れて取り組んだこと、日本との関係とその展望等について以下の通り語りました。 ―オマーンはどんな国ですか。その魅力は何ですか。 中東の国オマーンはアラビア半島の角、インド洋に面する国で、国土の広さは日本の約85%、人口は福岡県より少ない約450万人という小さな国です。スポーツ好きの方はサッカー戦で知っておられるかもしれませんが、一般の日本の皆さんには馴染みの薄い国といえるでしょう。しかし、日本が輸入する原油の約9割が通過するホルムズ海峡がイランとオマーンに挟まれた海峡だと聞くと、少し関心が湧くかもしれません。 オマーンの魅力はまずは何と言ってもその安全にあります。日本では「アラブ」「イスラム」と聞く
日本体育大学理事長 元衆議院議員 松浪健四郎 はじめに ミャンマー、アフガニスタンの悲劇が続いているのに、ロシアのウクライナ侵攻が余りにも大事件であるがゆえ、これらの国の現状は消されてしまいそうだ。しかし、現在のウクライナ国民の置かれた現実に立てば、胸が痛むばかりか、「平和」の難しさを痛感させられる。 「アフガン問題を風化させないで下さい」、故緒方貞子先生との約束ゆえ、筆者には世界がどんな状況にあっても語り部の役目を果たす義務がある。先日、JICAの「地球ひろば」での「国際河川問題」の講演会に出席した。 そこで、「アフガニスタンの水事情」について書くことを思いたった。永年ボランティア活動を展開されてきた故中村哲医師の取り組んだ川も、国際河川であった。そこに現地の水事情の複雑さがある。中村医師に起こった出来事、立派な活動を憎む人たちがいた事実は、国際河川の問題と関係があるのかもしれない。すで
第一、マルクス著「資本論」第一巻の概要 (1)商品と貨幣 マルクス著「資本論」第一卷は資本の生産過程を扱う。マルクスは商品の分析から始める。商品は使用価値(「効用」)と交換価値(「価格」)を有する。商品は自然物に人間労働が加わった労働生産物であり、貨幣との交換(「販売」)を目的として生産される。(註1)(註2) 使用価値を生産するのが具体的有用労働であり、交換価値を生産するのが抽象的人間労働である。それは基本的に労働時間によって決定される。労働時間は商品を生産するための個別的具体的な労働時間ではなく、社会的に必要とされる一般的平均的な労働時間である。「商品の価値はその商品を生産するために必要な社会的平均的な労働時間によって決定される」(「価値法則」)。(註3)(註4) 商品の価値は貨幣によって表示される。それが価格である。商品の価格は需要供給の変動により価値を離れて変動するが、長期的平均的
はじめに 冷戦の終結以後、国際政治の舞台では国際文化交流、「文化外交」や「ソフトパワー」をめぐる論議が盛んになった。その背景には、自由主義/資本主義対共産主義/社会主義という東西両陣営のイデオロギー対立が終わり、グローバリズムの加速によって国家の相互依存が深化していく情況があった。こうした流れの中で、科学技術の飛躍的進化に伴う軍事・経済といったハードパワーの直接的使用による代償とリスクが拡大し、武力行使及びその対抗措置としての制裁のハードルが高くなった。国際政治においては、ソフトパワーの絶対的な効用が語られ、パブリック・ディプロマシーという専門用語が頻繁に聞かれるようになったのは、1990年代以降だった。 ところが、2014年のクリミア併合以後、昨年12月にソ連邦解体満三十年が経過して新たな一年を踏み出した今年2月24日、露大統領ウラジーミル・プーチンの統治するロシアが、大方の専門家の予想
ツイッターで連日、「上海電力」がトレンド入り。橋下氏の疑惑騒動に 元TBSの山口氏が追及、保守系の人たちから説明責任求める声 橋下氏は北村弁護士にも反論。上念氏が動画で「こういった問題は…」 大型連休中、ツイッターで「上海電力」が連日トレンドワードに入った。 日本維新の会の創設者の橋下徹氏が市長在任中の大阪市で、メガソーラービジネスを中国企業の上海電力が受注していたことがクロースアップ。ネットでは連日、保守系の人たちを中心に経済安全保障の観点から、日本の重要インフラであるメガソーラービジネスに中国資本が参画していることを問題視し、市長だった橋下氏の責任があるのか追及する騒動になっている。 ネット上では橋下氏に説明を求める声 ことの発端は、保守系論壇誌、月刊Hanadaのネットメディア『Hanadaプラス』に掲載されている、元TBSテレビ記者の山口敬之氏による連載記事だ。連載記事の中で山口氏
イギリスを訪問中だった5日、岸田首相がロンドンの金融街・シティーで講演を行い「安心して日本に投資をしてほしい。インベスト・イン・キシダ(岸田に投資を)」と述べたことが、ゴールデンウィーク最終盤の話題となった。 この岸田首相の発言に市場は好感を持ったのか、6日13時には前営業日(2日)から241円高の2万7055円まで、日経平均は小幅ではあるが値上がりした。 しかし、9日午後の記者会見で、ロンドンでの岸田首相の講演内容に対する受け止めを記者から問われた松野官房長官は、次のように述べた。 「首相の講演は、貯蓄から投資へのシフトを大胆かつ抜本的に進め、投資による資産所得倍増を実現すべく国民の預貯金を資産運用に誘導する新たな仕組みの創設など検討していく旨を表明したものだ。金融所得に対する課税のあり方については、高所得者層の投資家で所得税負担率が低い状況を是正する必要がある。一般投資家が投資しやすい
昨年、静岡県焼津漁港で発覚した冷凍カツオの窃盗事件で、新たな逮捕者が出た。今回の逮捕者は、運送会社や水産会社、冷凍倉庫会社の社長や幹部ら6人で、焼津漁協職員は含まれなかった。だが、漁港内部に詳しい関係者は「少なくとも漁協職員の黙認などがない限り、犯行は成立しなかったはずだ」と証言する。 *** 【写真】窃盗防止策のひとつとして、計量所前には警備員が配置されるようになった とうとう摘発された「第二ルート」 昨年10月、焼津市内の水産加工会社が水揚げしたカツオ4トン(約74万円相当)などを盗んだ疑いで逮捕されたのは、同市の水産加工会社「カネシンJKS」役員、運送会社「焼津港湾」社員、そして漁協職員Aだった。 Aはセリ部門を担当していた職員で、1回あたり十数万円の賄賂を受け取り、後輩である計量係の職員と分け合っていた。事件が全国ニュースとなったのは、その後の調査などで、セリ部門を担当している職員
周囲に“逮捕はない”と語っているとの情報も 北海道・知床沖で観光船「KAZU I(カズ・ワン)」が沈没した事故から2週間余り。海上保安庁は運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長(58)と、今なお行方不明の豊田徳幸船長(54)に対し、業務上過失致死容疑ですでに捜査に乗り出してはいる。だが数々の責任を負うべき社長の逮捕は、困難という見方が強い。 *** 【写真6枚】桂田社長が従業員を解雇させる際、一方的に送りつけたLINE画面 現在のところ、桂田社長は行動を制限されている様子もない。 「海保も遊んでいるわけではないんです。運航会社を家宅捜索していますし、社長にも事情聴取を始めている。ただ、立件は簡単ではありません。特に問題となるのが、社長に事故を予見できたのかという点。そのことを立証する証拠を集めるのは容易ではないと見られます」 と解説するのは社会部記者。こうした事情を社長本人も把握しているのか
ロシアのウクライナ侵攻に対して、米国のバイデン政権は過去最強の経済制裁で応じたが、これまでのところ当初期待したほどの成果は上がっていない。 【写真】プーチン大統領と事実婚状態とされる元五輪金メダリスト「アリーナ・カバエワ」 冷戦終結以降、米国は「ならず者国家」と呼ぶ国々(北朝鮮、イラン、イラク、リビアなど)に対し経済制裁を実施してきたが、経済制裁のみで政権転覆など外交安全保障上の目的を達成できたことはなく、相手が大国であるロシアであればなおさらのことだ。 このため、バイデン政権は武器供与へと戦略の重心を大きくシフトしつつある。 ロシアによるウクライナへの侵攻以来、米国はウクライナに対してこれまで合計74億ドルの武器を供与したと言われているが、バイデン政権は4月28日、さらに200億ドルの武器供与を行うことを決定した。 ウクライナに大量の米国製兵器が供与されていることから、米国内の兵器の在庫
自民からも反対に票が流れ 4月20日、和歌山県が誘致を進めてきたIR(カジノを含む統合型リゾート施設)計画は、県議会の賛成を得られず、頓挫することになった。計画を推進してきた仁坂吉伸知事はもちろん、その後ろ盾となってきた二階俊博元自民党幹事長の求心力が低下するのは避けられない情勢だ。 【写真4枚】妻で元参院議員の林久美子氏 次期衆院選でも地盤とする和歌山3区からの不出馬がささやかれ、その後を世耕弘成自民党参院幹事長が継ぐシナリオが強まっているという。田中角栄を超える、過去最長の幹事長在任期間を誇った二階氏の落日を追った。 県議会で計画が否決された後に仁坂知事は「県経済を活性化する最大の起爆剤と次なる成長因子を失った」と述べた。それまで知事は「和歌山の長期衰退傾向を食い止めるための起死回生の手段」などと、計画への賛同を訴えてきた。それだけに、否決された理由を聞かれても「反対した人に聞いてほし
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