イスラエルによるレバノン攻撃、ヒズブッラーとの交戦の「停戦」は、その合意事項についての交渉中から「停戦」が長続きするのかどころか、「本当に停戦になるのか」すら疑わしいものだった。というのも、先に論じた通り「停戦」はレバノンにかかわる戦闘のみが対象でパレスチナ、シリア、イラク、さらにはイエメン、イランをも舞台に広域的に展開する今般の紛争のごく一部についてのものだからだ。その上、レバノンでの「停戦」も、「自衛権」を主張することによりイスラエルが主観的(≒恣意的)な判断で時と場と規模や程度を問わず敵とみなす者を攻撃してよいと解釈されているようなので、現在「停戦は維持されているけどイスラエルによる攻撃が続く」というとても奇妙な状況となっている。以上のような経緯により、イスラエル(やアメリカ)がヒズブッラーや「イランの民兵」が気に入らないからシリア領を攻撃するというのは上記の「停戦」を全く侵害しない
