かつて米ソが覇を競った宇宙開発競争だが、いまだに月への挑戦は国威発揚の場であり続けている。インドが23日に探査機の月面軟着陸を成功させ、インド国内は沸きに沸いた。「今世紀に入って最大の国家的成功だ」とインド人の友人は興奮交じりに語った。 国内では探査機降下の様子を伝えるオンライン中継を1千万人以上が同時視聴。着陸の瞬間には各地で爆竹が鳴り響いた。探査車の車輪にはインドの国章が刻印されており、走行後の轍(わだち)には国章が現れる。文字通りインドが月面に〝消えない足跡〟を残した形で、盛り上がりに一役買った。 何より直前にロシアが月面着陸に失敗したことが象徴的だ。印紙インディアン・エクスプレス(電子版)は「インドは台頭する大国で、ロシアは衰退する大国という国際的な認識を強めた」とまで言及した。今回の着陸成功でインド全体が「次代の宇宙大国」との思いを強くしているようだ。 ただ、個人的に最も興味深か