【北京=三塚聖平】中国政府は24日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始を受け、同日から日本産水産物の輸入を全面的に停止すると発表した。放出開始を受けた対抗措置の一環。習近平政権は処理水放出で対日圧力を増し、日中関係を巡る新たな不安定要素をつくりだしている。 中国税関総署が発表した。発表は、処理水放出が「食品安全に引き起こす放射性汚染リスク」を防ぐための措置だと主張。「中国の消費者の健康を守り、輸入食品の安全を確保する」と強調しており、水産物以外の食品についても検査を強化する可能性がある。中国は放出開始前の7月から日本産水産物などに事実上の輸入規制を敷いている。 生態環境省は24日、中国が管轄する海域におけるモニタリングを強化すると表明した。海洋放出による影響を調べるためとしており、中国独自のモニタリング結果を批判材料とすることが予想される。 中国外務省の汪文斌報道官は24日の記者会見