大阪・関西万博会場の新しいイメージ図を発表する筆者2020年12月、会場全体をつなぐ大屋根リングを取り入れた会場デザインを発表しました。「多様でありながらひとつ」という理念を万博会場で体感してほしいとの想(おも)いを込めた大屋根リングは、世界中の人々が行き交う主動線となり、雨風や日差しから人々を守る役目も果たします。 リング状の空中歩廊からは、会場全体を見渡したり、夕日に照らされる穏やかな瀬戸内の海を眺めたりすることができます。また、そこから天を仰げば、きれいに切り取られたひとつの空が現れます。この空を多様性あふれる世界中の誰もが共有していることを、しっかりと感じてほしいと思います。 今年7月。この大屋根リングを木材で建築することを発表しました。近年、カーボンニュートラル(脱炭素)や持続可能性などの視点から木造建築が世界的に注目を集め、欧州や北米では木造の超高層ビルや大規模建築物などの建設