日本のインテリ層を魅了した「マルクス主義」。一体なぜこの島国で流行することになったのか。マルクス理論の土台になったというイギリスの歴史を見てみると、日本との共通点が浮かび上がる。日本人が押さえたい「経済の常道」を憲政史家の倉山満氏が、やさしく解説する。 ※本稿は、倉山満著『これからの時代に生き残るための経済学』(PHP新書)を一部抜粋・編集したものです。 「結果の平等」を説いたマルクスの正しさ なぜマルクスが受けたのか? 共産主義思想など、狂気です。しかし、狂気にも受ける理由があるのです。 アダム・スミスおよびその流れをくむ自由主義・資本主義とカール・マルクスの共産主義を比較するにあたって、「機会の平等」か「結果の平等」かという言葉が用いられます。 アダム・スミスは「機会の平等」を重視し、それに対して、マルクスはその偽善性を徹底的について、「結果の平等」を説きました。 マルクスに言わせれば