5月の大型上場、その後の赤字決算、株価急落と、話題を提供し続ける米フェイスブック。急成長を遂げた交流サイト(SNS)世界最大手の創業期を実名で描いた映画「ソーシャル・ネットワーク」が昨年に日本で公開され、世界的にヒットした。創業者のマーク・ザッカーバーグ(現最高経営責任者)は大学在学中にビジネスの仕組みを作ったが、企業法務の視点から映画をみると「発明は誰のものか」といった重要なテーマが浮かんでく
アップルが営業ベースの粗利率(operating margin percentage)の高さで、マイクロソフトやグーグルを上回ってことは以前に述べたが、これは驚くべきことである。大半の人の目にはいまだにアップルは「ハードウェアの会社」、マイクロソフトは「ソフトウェアの会社」、そしてグーグルは「(ウェブ)サービスの会社」と映っているのだから。 ハードウェアの会社のほうがソフトウェアやサービスの会社よりも儲けの幅が大きい。これはテクノロジー業界を分析するものにとって異端に等しい考えであり、そういう逆転現象が生じていること自体、ニュースに価する出来事と思う。しかし、アップル_市場におけるパワーの源泉がハードウェア事業だけにあるわけではない。業界の半可通でもそのことは知っている。アップルの力の源泉は、ハードウェア、ソフトウェア、サービスをすべて自分のところでコントロールしていることにある。 技術的
ハーバード大学ビジネススクール時代の恩師であるクレイトン・クリステンセン(Clayton Christensen)教授--『イノベーションのジレンマ』などの著者--は、2004年3月に「Open Source Business Conference」で講演を行った(この講演の模様を録音したものが、リンク先のページ「Capturing the Upside」で聴ける。「破壊的なイノベーション」("Disruption")の核心に触れた話が聞けるので、ぜひ始めから終わりまで通して聞いてみることをお勧めする)。 この講演のなかには(市場)分析に関する多くの分野で役に立つ教えが含まれている。そしてiPhone 4Sに搭載された「Siri」の潜在力について考える時、私はこのなかで語られている、次のような話を思い出す(7年半も前にこんな話をしていたなんて、教授には先を見通す千里眼があるのではないか)。
IBMといえば、30年前にPCを発売してパソコン普及の原動力となり、またマイクロソフト(Microsoft)躍進のきっかけをつくった存在であることは周知の通りだが、そのIBMで初代PCの開発に携わり、現在も同社で幹部の立場にある人物が、「パソコンは真空管やタイプライターと同じ運命をたどる」とする見解を明らかにして、一部で話題になっている。 IBMでは8月12日に同社PC事業の開始から30周年を迎えるが、これを目前に控えた10日に、IBMでオリジナルPCの設計に携わったエンジニアのマーク・ディーン(Mark Dean)氏が、自らのブログで「PCの時代は終わりつつある」と発言した。 同氏は、IBMのチーフ・エンジニアとして、初代PCのハードウェア開発に携わり、初代PCに関する9つの特許のうち3つを保有する人物。また、その後80年代を通じて同社でPCの設計部門を率いた後、現在は同社の中東およびア
当たり前だと思っている「自由」だけど、実は流れに逆らってでも守らなきゃいけないもの、なのかもと考えさせられます。 コロンビア大学教授のティム・ウー氏が、書籍『The Master Switch: The Rise and Fall of Information Empires』を発表しました。その中でウー氏は、20世紀に生まれたさまざまな情報技術には、ある共通の「サイクル」が見られると主張しています。 彼によれば、革新的な情報技術は、誕生当初は誰もが自由に使えるのに、ある段階から市場をコントロールしようとする企業が現れます。やがて技術は中央集権化され、一部の企業が「マスタースイッチ」を握るような状態になってしまうのです。ウー氏は、オープンなプラットフォームと言われるインターネットも、実際はそんなサイクルの上にあるのではないかと問題提起しています。 ウー氏の指摘した「サイクル」は、たとえばア
前回に引き続き、今年も友人&奥さん&犬連れでアップルストア総本山のパロアルト店に並んでゲットしました、iPhone 3G。 もうiPhone自体についてはあちこちで語り尽くされていますし、今さら私が何かを付け加えたところで、いつも言ってることの繰り返しになってしまうのですが、もう一度あらためて伝えたいことがあります。 iPhoneは、1980年代にパーソナルコンピュータが登場して以来の、約30年ぶりに登場したパラダイムセッターであり、コンピュータ業界、ソフトウェア業界、ウェブ業界、モバイル業界、果てはゲーム業界まで、あらゆる関連セクタの向かう先をたった一つのプロダクトで決定づけてしまったモンスターデバイスです。 おい、そりゃいくらなんでも言い過ぎだろう、と言いたくなる方が多いのはわかります。今のiPhone 3Gを使ってみて、まぁそれなりに綺麗だし使い心地もいいしデザインもいいけど、普通に
先日、チェンジ・マネージメント・コンサルティングの森さんにお話をお伺いする機会があったときに、リーダーとマネージャーの違いについて、こういわれていました。 リーダーとは、変革を起こす人 マネージャーとは、複雑さに対応する人 なんとなく腑に落ちたというか、やっぱり大きく異なる役割なのだなと納得しました。 例えば問題が発生した場合にでも両者の行動は異なります。マネージャーはスケジュールやリソースを調整し「対応」プランを考えます。リーダーは問題を問題(悪いこと)と捉えずに、これを機会としてより最適な成功につなげようとする気がします。 リーダーは未来を見つめ、マネージャーは人を見つめる ちょっとググってみると色々見つかりました。All About コーチング・マネジメント ガイドの「あなたはリーダー? それともマネジャー?」では、マーカス・バッキンガム氏の『最高のリーダー、マネジャーがいつも考え
製品や業務というものは、Aに始まり、B、C、Dと辿っていきます。 慣性力が強く発生するのはCやDのコンテクストです。儲けの源泉でもあるし、Cはセキュリティなどの「ミスしたら大変になるけど、うまくいってもプラス要因にならないもの」というものです。差別化要因ではないのだけど、実際にはここに人材や資源が滞留してしまう。 その結果としてイノベーティブな研究成果(=A)をBに育て上げる(キャズムを超えさせる)だけの資源が集められないということになります。 こういった場合にやるべきことは、資源を食いつぶしているCやDの業務を再構成して生産性を高めること。そのための5段階モデルが次。 ・集中化 : 権限を集中させる ・標準化 : 複数の類似プロセスを統合し、標準化する ・モジュール化 : 製品やプロセスや構成要素に分解しモジュール化する ・最適化 : 冗長なタククを発見し、最適化する ・アウ
印刷する メールで送る テキスト HTML 電子書籍 PDF ダウンロード テキスト 電子書籍 PDF クリップした記事をMyページから読むことができます 2005年でちょうど設立30年を迎えたMicrosoftであるが、その長い歴史の中で、経営陣が会社全体の方向を大きく変えようというメッセージを込めて全社員に向けたメモを書いたのは2度だけしかない。1995年の12月にBill Gatesが書いた「Internal Tidal Wave」と、ちょうどその10年後の2005年10月にRay Ozzieが書いた「The Internet Services Disruption」である。 どちらのメモも、「これからはインターネット・サービスの時代であり、マイクロソフトは変わらなければならない」と述べており、本質的には同じ方向性を示している。違うのは、Ozzieのメモには広告ビジネスの重要性など、
明日は誰のものか イノベーションの最終解 スポンサード リンク ・明日は誰のものか イノベーションの最終解 『イノベーションのジレンマ』『イノベーションへの解』に続く破壊的イノベーション論の集大成。「ハイテクのマーケティングを理論的にやりましょう」という内容で、情報通信業界では教科書の如く引用されるようになった。ケース満載。 マーケットリーダー企業は、要求の厳しい顧客の声に耳を傾けて、自社の製品・サービスを進化させる。その「生き残りのイノベーション」企業は、より利益率の高い金持ちマーケットに積極的に進出していく。一方で、新興企業は彼らが狙わないローエンドで新たなマーケットの創出を狙う。その武器が破壊的なイノベーションである。 ・イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002943.ht
このところ大きなサービスを持ってる大きな企業が運用するウェブサイトについて考えることが多かったので、ちょっと書き殴ってみるとします。 一見すると大企業ってのは人もたくさんいるし資金もたくさんあるし、小さな企業と競争になっても、簡単にそれを踏みつぶしてしまえるような印象を受けます。いやいや、そんなに簡単じゃないんだよっていうのがイノベーションのジレンマであり、大企業病のジレンマであり。で、ウェブの企業にもう一つ当てはまるジレンマがあるなあと最近思います。 はてなダイアリーのキーワードページに、Yahoo! ニュースのトピックページからリンクされることがあります。そのニュースが Yahoo! Japan のトップページに載ってたりするものだと、キーワードページへの瞬間最大トラフィックが恐ろしいことになります。最近は対策を練ったので問題ないのですが、一時期は Yahoo! トップに載ってるニュー
私がマイクロソフトをやめるキッカケを作ったのが、「イノベーションのジレンマ」という本だということは、以前にも書いた。IT業界でビジネスをしている限り、大きな会社にいようと、小さなベンチャー企業にいようと、この本に書いてあることを日々意識しながら仕事をするかどうかは大きな違いを生むはずだ。 このブログでも何度も引用しながら、一度もちゃんと解説を書いたことがなかったことに気が付いたので、今日のエントリーは、この本に書かれているコンセプトの解説。 そう思っていつもの様に書き始めたのだが、文字だけではとても伝えにくいコンセプトだ。しかし、図解と言えばパワポ、というのもありきたりすぎるので、会社の廊下にあるホワイトボードに手書きで描いた図を、携帯電話で撮影したものを使うことにした。通りがかった社員にも見てもらえるので、一石二鳥である。 上の図は、この本に書かれたコンセプトを一般化したもの。ブルーのラ
Substantiation/Perspective - Scanning 情報収集の目的は、それを分析、評価して、次の行動の決定を行う判断に資する点にあります。膨大な公開情報をベースに、地道に分析し、意味づけを繰り返し、点と点を結ぶ線を見いだすこと。戦略上の重要決定には、こうしたインテリジェンス活動を通じた、俯瞰図が欠かせません。 Big Picture/Bottom Line - What/so what 企業では、公開情報よりも足で稼いだ情報や非公式に入手した情報を重視する傾向がありますが、それだけでは広い視野を失いがちです。俯瞰するには、幅広い視点から事実を積み上げることが重要で、そのためにも公開情報も宝の山であることを再認識する必要があります。全体を俯瞰しながら、ディテールの動きにも目配りすることも大事。ズームアウトとズームインを繰り返すことで、注視すべき構造変化の要因を見いだす
ペアプログラミングや偉くない管理職、といった方法のほかに、はてなでは様々な開発業務を「連続的」「非連続的」といった概念で分類して考えています。 例えば、携帯電話から見ると、はてなダイアリー向け以外のリンクが張られない。はてなアンテナと同様に、コンテンツ変換を通して携帯から読める形のリンクを張ってほしいといった問題に対してシステムの変更を行う作業は「連続的」な問題です。 既に動いているコードがあり、そのコードに対して変更を行うような作業は、それなりに時間がかかる場合もありますが既存のシステムから予測可能な変更作業です。こうした作業は、継続的に行うことでサービスの品質を上げたり、ユーザーの満足度向上に貢献します。 これに対して、「新しいユニークなブログの仕組みを思いついたので作ってみよう」といったアイデアは「非連続的」あるいは「破壊的」な問題です。こういうアイデアは、待っていてもなかなか生まれ
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