はじめに まずはじめに、今日の話の前提としてお伝えしておきたいんですが、僕は「出版が社会から不要と宣告されて潰れてしまったら、それはそれでしょうがない」と思っています。消えるものはどう抵抗しようが消えるだろうし、逆にいえば必要な限りは存続できると思うんですね。 実際、出版に関連する仕事の中でも、写植屋という商売は僕らが潰してしまってます。ポット出版も、かつては写植屋に毎月20万円分くらい仕事を発注していましたが、1992~93年頃を境に、ぴたりと一銭も払わなくなりました。写植屋に頼むとB4版程度の印画紙一枚あたり1万円くらいかかるところを、自分でパソコンを買ってデータを作り、それを通信で送れば、1000円とか2000円とかでできちゃうんだもの。このほうがぜんぜん安く済む、そう思ってみんなが乗り換えた結果、写植屋はバタバタ潰れていきました。 そうやって僕ら自身も関連業種を潰していったわけだか