2010年3月17日付で全国紙「中国青年報」が報じた“囲剿地溝油(下水溝油を包囲殲滅する)”という表題の記事は、中国全土に大きな反響を巻き起こした。この記事は“地溝油(下水溝油)”について、湖北省武漢市にある武漢工業学院“食品科学与工程学院(食品科学・工学部)”の教授で、全国糧油標準化委員会油料・油脂ワーキングチームのチーム長である何東平にインタビューしたものであった。 ところで、“地溝油”とは何か。筆者は2006年12月15日付の本リポートで「え!中国では下水溝から食用油が作られる?」という“地溝油”に関する記事を掲載したが、“地溝油”とは調理場から排出された食用油が下水溝に溜まった物を意味する。 筆者は北京と広州で駐在経験を持つので、家では妻が本場で習得した中華料理を作ることが多く、必然的に食用油の使用量も多い。調理鍋や食器に残った油は洗い流されて庭にあるマンホール(汚水槽)に流れ込み