水は最も身近なありふれた液体で、温度、重さ、熱量(カロリー)の単位の基準に用いられていますが、とても変わった性質の物質です。この異常な物質である水によって地球上の生物は生きていけると言えます。 1.常温で液体として存在する 水の分子組成はH2Oで表わされ、分子量18の酸素と水素の化合物です。物質は一般的に分子量が大きくなるほど、固体から液体に変わる温度(融点)、液体から気体に変わる温度(沸点)が高くなります。ほぼ同じ分子量の水素化合物であるアンモニア(NH3 分子量17)やメタン(CH4 分子量16)は常温で気体ですし、同じ酸素族の硫黄(S)の水素化合物である硫化水素(H2S分子量34)は水より分子量が大きいのに常温では気体です。水が普通の物質なら常温では気体であるはずなのです。 また、液体として存在する範囲が0℃から100℃までと広いのも特記すべきことです。 2.固体が液体よりも