南極から過去最大級の氷山が分離し漂流を始めたと、地球温暖化の影響を調べている英国の研究プロジェクト「MIDAS」のチームが12日、発表した。分離した氷山は1兆トン以上で、面積は三重県とほぼ同じ約5800平方キロ。分離する前から海上にあったため、チームは「すぐに海面の上昇に影響を与えるわけではない」とみている。 チームによると、氷山は元々、大陸を覆う氷床が海に押し出されてできた棚氷「ラーセンC」の一部。氷の厚さは200~600メートルで、これまでに200キロ以上の亀裂が観測されていた。今月10~12日の間に完全に分離した。ラーセンCの面積の12%以上が失われたという。 世界各国でつくる「南極研究科学委員会」の研究チームは「将来、氷山の分離はより頻繁に起きるだろう。生態系への影響調査が欠かせない」との声明を出した。(杉本崇)