南大洋域への人間活動由来の鉄微粒子供給が、実は10倍多かったことを解明 名古屋大学 大学ジャーナルオンライン編集部 南大洋などの外洋域では、海洋生態系が光合成に利用する海洋表層の鉄(可溶性鉄)が不足していることが知られ、そのため大気から海洋に沈着する鉄供給が重要な役割を果たすと考えられている。しかし、大気から海洋に沈着する可溶性鉄の起源が、自然起源と人為起源のどちらが主要なのかといったことは、これまでよく分かっていなかった。 この増大に伴って、南大洋域における可溶性鉄の全沈着量に占める人為起源鉄の寄与は61%と見積もられることから、人為起源鉄の沈着量が自然起源鉄の沈着量よりも大幅に多いこととなる。可溶性鉄の沈着量の将来変化においても、人為起源鉄の変化が主要な役割を果たし得ることを示唆する。 人為起源鉄は、人間活動に伴う微粒子の排出規制等によって、将来的に減少していくことが予想されている。こ