「売上高に占める海外比率を高め、2018年度に2000億円だった電設資材事業を、21年度に2500億円、30年度に4000億円まで伸ばす」。9月2日に開かれたパナソニックの電設資材の事業説明会。白澤満・パワー機器BU(ビジネスユニット)長は電設資材事業への期待を口にした。 実際、同事業は優良事業だ。電設資材の代表製品である配線器具は、日本はもちろん、台湾、韓国のほか、東南アジアのほとんどの国で同社がシェアトップ。近年では、インドやトルコで現地企業をM&A(合併・買収)するなど、市場開拓も着々と進む。 技術が単純なように思われる配線器具だが、製品開発には安全性の高さや各国によって異なる規格についての知識や経験が必要とされ、日本企業が得意とする緻密さや丁寧さが生きるという。そうした強みは収益力にはっきりと表れる。パナソニック全体の営業利益率が5%に満たない中で、配線器具は十数%を誇るという。