JUGEMテーマ:時代小説 ・史実を元にした歴史短編小説「聖地と、女王と4人の夫」全3話の前編です。 ・後の話はコチラ→「聖地と、女王と4人の夫(中編)/(後編)」 (下部にある「カテゴリー別・小説一覧」からも他ページに跳べます。※他の小説も混じった「もくじ」になっています。) 王侯貴族にとって結婚とは、契約書のようなもの。 国と国、あるいは領土と領土の結びつきの“目に見える証”。 才や力は有っても“血”を持たぬ者を、王位や爵位に就けるための、分かりやすく手っ取り早い“形式の構築”。 大切なのは利益の有無や条件だけで、本人同士の相性も愛情の有無も、端から問題にされることはない。 そしてその結婚自体、運任せの儚いもので、時代の変化や周囲の思惑により、呆気なく破棄されたりもする。 私の母もまた、それに振り回された一人だ。 北の帝国の皇族に生まれた母は、13の年に、既にこの国の王となっていた父と