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2019年12月31日のブックマーク (4件)

  • 明治時代・恋愛・怪盗・異能バトル・ファンタジー小説(序盤のみ) | 言ノ葉スクラップ・ブッキング〜シーン&シチュ妄想してみた。〜

    JUGEMテーマ:時代小説 まぶたを上げると、世界は一面朱金の色に変じていた。西の地平に沈む間際の太陽の色。一瞬、太陽が落ちてきたのかと気で思った。 無意識に太陽を探して空を仰ぐ。見上げた空は、暗かった。だがそれは太陽が落ちたからではない。まるで墨が溶けて空ににじみ出したかのように、黒いものが空を覆っている。下の方は濃く黒く、上の方へ行くに従ってだんだんと薄くなるそれの向こうに、淡い春の青空と、白金に光る太陽が透けて見えた。 そして、その空をひらひらと朱く、小さな羽虫のように舞い飛ぶものがある。いくつもいくつも、空を彩る模様のように無数に頭上を飛び回るそれは――火の粉。辺り一面を覆う炎が吹き上げる、朱色の炎の欠片。 ――銀座の町が、燃えている。 青流 (  せいる ) は悲鳴を上げて飛び起きようとした。だが、身体が上手く動かない。 「……何てこった。家が……」 呆然としたような呟きが小さ

    m25mori
    m25mori 2019/12/31
    明治時代・怪盗ものファンタジー(タイトル未定)とりあえずプロローグのみ。
  • 花火の中の一生 | 言ノ葉スクラップ・ブッキング〜シーン&シチュ妄想してみた。〜

    JUGEMテーマ:ショート・ショート 浴衣ってね、見た目ほど涼しくはないんだ。 着付けするのにコツも要るし、キレイに着るの、結構大変なんだよ。 でも、初めてのわりには上手く着られてるでしょう? 帯だってね、今時よくあるワンタッチのやつじゃなくて、自分で結んでみたかったから、調べて、練習したの。 思ってたよりナナメになっちゃったけど……これでも頑張ったんだから、笑ったりしないでよね。 花火、もう始まっちゃったね。 確かに、ちょっと遠いけど、ここからでも充分だよ。 人でいっぱいだから、これ以上前には進めないし……。 あ、今ちょうど打ち上がった。 ……綺麗だね。 弾けて、光って、消えていく……。 こんなに一瞬で、あっと言う間に消えちゃうのに、どうしてこんなにも沢山の人がこれに惹かれて集まって来るんだろうね。 当言うとね、昔は花火って、ちょっと苦手だったんだ。 物悲しく思ったり、恐くなったりして

    m25mori
    m25mori 2019/12/31
    恋愛ss「花火の中の一生」。相手の名前も人称も出さないというナゾの執筆ハードル上げ…。
  • ミトコンドリアの恋 | 言ノ葉スクラップ・ブッキング〜シーン&シチュ妄想してみた。〜

    JUGEMテーマ:恋愛小説 JUGEMテーマ:恋愛小説 「なぁ、知ってるか?太古の生物には寿命なんて無かったんだ。生殖行為を行わず、分裂で 殖 ( ふ ) える代わりに、最初からプログラムされた死も無い。単細胞生物なんてばかにしてるけどさ、せっかく育てた身体(からだ)も記憶も、何十年か経てば必ず消滅してしまう人類(ぼくたち)に比べたら、ずっと生命体として完成された、永遠に近い存在なんじゃないかな」 僕は、なんで君にこんな話をしているんだろう。 養護教諭のたまたまいない、二人きりの保健室。 君は保健委員として僕につき添って来てくれただけで、特に親しいわけでもなければ、そもそも会話を交わした記憶さえ、ほとんど無いくらいの間柄なのに。 ……ただ、いつも教室の隅で一人静かにを読む君が、時々、妙に視界の端に引っかかるのは感じていた。 皆が群れを作って居場所を確保しようと必死でいる中、独りになること

    m25mori
    m25mori 2019/12/31
    恋愛ss「ミトコンドリアの恋」。
  • 光の宝玉に選ばれ、やがて大陸を救う“光の女王”となる少女の話(途中まで) | 言ノ葉スクラップ・ブッキング〜シーン&シチュ妄想してみた。〜

    JUGEMテーマ:オリジナル創作 彼女は既に虫の息だった。 白かったドレスは赤い花を散らしたようにところどころ血に染まり、顔からはすっかり血の気が失せている。 もう助からないということを彼女自身も悟っていた。だが、それでも最後の力を振りしぼり、必死に地を這っていく。その目の前には、小さな川が流れていた。 何とか川辺にたどり着いた彼女は、震える手で懐から何かを取り出した。それは、手のひら大の透明な珠。日の光を浴びて虹色に輝くそれに一瞬目を留め、彼女は小さく呟いた。 「どうか……新しき主の元へ……」 傾けられた手のひらから珠がこぼれ落ちる。それは、とぽん、と音を立て川の水に沈んでいった。彼女はそれを見届けると、静かに目を閉じる。それが、彼女の最後の動作だった。 彼女の手から離れた珠は、川底にたどり着くと淡く光を放った。その表面が一瞬、金色の光により描かれた文字とも文様ともつかぬもので埋め尽くさ

    m25mori
    m25mori 2019/12/31
    ブログ小説「光の宝玉に選ばれ、やがて大陸を救う“光の女王”となる少女の話(途中まで)」