第四十四代・元正天皇は日本の5人目の女帝だが、あまりにも“中継ぎ”の天皇が強調されて、最も知名度は低いかも知れない。だが、それまでの女帝が皇后や皇太子妃だったのに対し、彼女には結婚経験はなく、独身で即位した初めての女性天皇だった。また、歴代天皇の中で唯一、母から娘へと女系での継承が行われた天皇でもある。但し、父親は男系男子の皇族、草壁皇子のため、男系の血統は維持されている。元正天皇の生没年は680(天武天皇9)~748年(天平20年)。 元正天皇の父は草壁皇子(天武天皇と持統天皇の子)、母は元明天皇。25歳の若さで亡くなった文武天皇(第四十二代天皇)の姉。即位前の名は氷高皇女(ひたかのひめみこ)。 歴史に「たら」「れば」をいってみても仕方がないのだが、それを承知で敢えていわせてもらうなら、文武天皇があと15~20年健在だったら、後を継いだ母・元明天皇、そして姉・元正天皇、両天皇の時代は完全