犠牲のシステム 福島・沖縄 (集英社新書) 作者: 高橋哲哉出版社/メーカー: 集英社発売日: 2012/01/17メディア: 新書購入: 5人 クリック: 94回この商品を含むブログ (262件) を見る 現代の日本において国家と犠牲をめぐる問題を一貫してかんがえ、発言してきた代表的な人といってもよい著者が、原発事故の惨禍を受けた福島と沖縄が置かれている状況との相似と差異について論じ、この国家の根幹をなしているとさえ思える「犠牲のシステム」をあらためて批判した本書は、やはり示唆されることの多い内容になっている。 とくにぼくは、著者が原発事故の犠牲者やその責任のあり方、また重要なテーマである「植民地」という言葉に関して、それらをひと括りにして論じることに常に慎重であり、その様々な様態の腑分けを丁寧に行ったうえで(行いながら)、各々を重ね合わせて全貌を理解しようとする姿勢を、学ぶべきであると