【石橋亮介】生活保護を受けていた夫婦が北海道滝川市から介護タクシー代約2億4千万円を不正受給した事件をめぐり、市に損害を与えたのは当時の市長ら市幹部5人の責任だとして、市民169人が、5人に全額賠償させるよう市に求めた住民訴訟の判決が27日、札幌地裁であった。浅井憲裁判長は、当時の福祉事務所長と福祉課長の2人に「重大な過失があった」と認め、計9785万円の賠償を求めるよう市に命じた。 原告側によると、生活保護の不正受給をめぐる民事訴訟で、行政の過失を認める判決は異例という。 判決によると、滝川市は2006年3月〜07年11月、元暴力団組員の夫(47)=詐欺罪などで懲役13年が確定=と妻(42)=同8年が確定=に対し、生活保護受給者が通院時に支給される通院移送費として、通院の実態がないのに、約85キロ離れた札幌市への介護タクシー代として1回20万円以上、計2億3886万円を支給した。 続