「社長の教組」「日本のドラッカー」と称される一倉定が、再注目されている。中でも、1969年発行の『ゆがめられた目標管理』は組織運営のバイブルだ。コロナ禍のような激動の時代のマネジメントを説いた名著をダイジェストした。 1918(大正7)年、群馬県生まれ。36年、旧制前橋中学校(現在の前橋高校)を卒業後、中島飛行機、日本能率協会などを経て、63年、経営コンサルタントとして独立。「社長の教祖」「日本のドラッカー」と呼ばれ、多くの経営者が師事した。指導した会社は大中小1万社近くに及ぶ。1999年逝去 (前編から読む) 真の人間関係とは、どうも人間関係論者の主張と違う。「可愛い子には旅をさせろ」「獅子はわが子を谷底につき落とす」。これが真の人間尊重の理念ではないのか。何百年の長きにわたり、人間の叡智の「ふるい」にかかって生き残ってきた格言なのだ。正しくなければ消えているはずである。 真に人間を尊重