稲田:そうなんです。「うちの特徴はうまみ控えめだからこそのこのおいしさなんです」と言われると、最初はもちろん混乱しますよ。聞いたことがない言い回しだから。でもそれがたぶん浸透していく。なぜならば実例がある。「うちのケーキは甘さ控えめでおいしいです」という言い方は、ちょっと昔は通用しなかったんです。 でもいつの間にか「甘さ控えめ」という価値が新しく生まれた、そういうことはこれからもどんどん起こってほしいです。 日本中の街が同じ顔に つまり、おいしさの評価軸がどんどん複線化、複々線化していってほしいということですね。ただ、今現在の、誰もが匿名で批判コメントを発信できる状況と、組織内の人間の「社内外の誰も怒らせたくない、誰からも批判されたくない」という気持ちが掛け合わせられると、日本中の店が、サービスが、「高レビュー評価」の、同じ路線に収れんしていくような気がするんです。 稲田:いや、すでにほと