【リマ=平山亜理】ペルーで90年代に起きた軍特殊部隊による民間人殺害事件で、殺人などの罪に問われているフジモリ元大統領(70)の判決公判が7日、リマ郊外の最高裁特別法廷であり、被告を有罪とする判決を言い渡した。量刑は同日中に言い渡される。裁判は二審制で、弁護側は控訴する見通し。 有罪判決が出たのは、フジモリ政権初期の91年と92年に、幼児を含む市民や学生ら計25人が軍の「コリーナ部隊」に殺害された事件など。 フジモリ被告は90年の大統領就任後、当時、頻発していた左翼のテロを抑え込むため、組織の撲滅対策を実施し治安回復に成果を上げた。検察側は、この過程で被告が掃討のためには手段を選ばない「汚い戦争」に手を染め、コリーナ部隊に民間人殺害を命じたと主張。禁固30年を求刑していた。 判決では、こうした事実を大筋で認定。「被告は軍を管理しており、民間人殺害は被告の承認なしには起こりえなかった」