ryuchell(りゅうちぇる)さんの突然の訃報から1週間がたちました。喪失感が日ごとに募ります▼インタビューしたのは一昨年末。著書の『こんな世の中で生きていくしかないなら』というタイトルと、キラキラしたイメージとのギャップに、ぜひ会いたい、と思いました。トランスジェンダーであることを告白する前でしたが、本当の自分を隠して生きる苦しさを率直に語ってくれました。沖縄出身で平和への思いも特別でした▼自身にとって「この世はつらいことばかり」でした。「争いは多いし、理不尽なことも多い。だとしたら、自分がどうありたいかを軸にした方がラク」。しかし、誹謗(ひぼう)中傷はやむことがありませんでした▼「自分の生き方を見せることでマイノリティーの人を励ましたい」とも。それがメディアに出る唯一の理由でした。今年1月には、YouTubeで同じ悩みを持つ人に「あなたが見ている世界がすべてじゃない。信じてほしい」と