福井県にある関西電力の原発の使用済み核燃料を巡り、関電は10日、搬出前の保管先として、原発構内に乾式貯蔵施設の設置を検討していることを明らかにした。一方で、過去に約束した中間貯蔵施設の整備は、候補地確保を掲げたものの全く進展がなかった。県外搬出の準備として、原発敷地内に新たな貯蔵施設整備を検討するという策にも具体性はなく、かえって県内保管が長期化する恐れも否定できない。議論の前提となる核燃料サイクル政策も実現の見通しが立たず、関電の窮状は深まっている。(渡辺聖子、小野沢健太) 使用済み核燃料の搬出先となる中間貯蔵施設の県外候補地を2023年末までに確定させる―。関電が福井県と交わした約束の期限が残り2カ月に迫っても、関電は具体的な内容を示さなかった。この日の県議会全員協議会で、自民党県議は「説明できないものをわれわれに信用しろというのか」と憤った。 関電はフランスでの実証研究用に高浜原発か