トランスジェンダーにとって最も危険な国だと言われているブラジル。そこに暮らす17歳のトランスジェンダーの少女の痛みと希望を描いた映画『私はヴァレンティナ』(2022年4月1日劇場公開)。本作が映画デビューとなる主演ティエッサ・ウィンバックは、「ブラジルでは何をするにもトランスだと大変です」と語り、当事者として主人公の経験に共感するものが少なくなかったと明かす。(フロントロウ編集部) トランスジェンダーの平均寿命35歳、退学率82% 2013年に連邦法で同性婚が認められ、2019年には最高裁にてホモフォビアやトランスフォビアが犯罪として認められたブラジル。ラテンアメリカで最もLGBTQ+の権利が進んでいる国として知られているが、同時に、トランスジェンダーの殺害数が世界ワースト1位の国としても知られている(TGEU発表)。さらに、トランスジェンダーの中途退学率は82%、平均寿命は35歳と、ト