2006年5月2日 調査統計局 伊藤智 猪又祐輔 川本卓司 黒住卓司 高川泉 原尚子 平形尚久 峯岸誠 全文 [PDF 123KB] 要旨 日本銀行は、GDPギャップや潜在成長率を推計し、経済・物価情勢の判断に利用している。今回、GDP統計が昨年末の基準年変更によって遡及改定されたことに伴い、GDPギャップと潜在成長率の再推計を行なった。その際に、過去数年間に明確化した労働市場の構造変化を織り込むとともに、資本ストック統計など推計に利用するデータの改善、潜在GDPの概念の変更など、作成方法を全般的に見直した。 新しいGDPギャップは、資本や労働の稼働率が過去の平均的な水準にある状態を境に、プラス、マイナス双方の値をとる。最近の動きをみると、今次景気回復が始まった時点では大幅なマイナスであったが、順調に改善を続け、足もとはゼロ近傍での動きとなっている。この水準は、2000年の景気のピークを上