「いい歳超せるよ」 車の中で思わず口に出た言葉。 隣に座ってるのは、30年来の友人だ。 ハタチ前後に知り合い、よく遊んだ、朝まで飲んで語りつくしたりした友人。 30年来と言っても、ずっと付き合いがあった訳ではない。 結婚して家庭を持ったら、お互い連絡はとらなくなっていた。 それでも15年位前かな、住まいも変えず過ごしてる近況を電話で聞いていた。 がん告知された、2018年。 入院する1週間ほど前か。 耐えられなかった。 不安が募り、頼ろうとした動機から。 久しぶりに彼女の家を訪ねた。 適当な場所に車を駐車させると、彼女によく似た小学校低学年くらいの男の子がボール遊びをしている。 目鼻立ちがはっきりしてて利発そうに見えた。 しばらくして彼女が仕事場から帰宅してきた。 私の顔を見て驚いたのは言うまでもない。 少し話しただけなのに、すぐに飲み込んでくれて受け入れてくれた。 手術日の夜。 面会でき