どちらの選択肢もロシアのプーチン大統領にとって良いものではない。冷戦を経験した者として、そしてロシア史を学ぶ者として、プーチン氏は間違いなくそのことを十分わかっているはずだ。 ロシアが最後に戦争で敗れたのは1980年代のアフガニスタンでのことだ。79年の侵攻で早々に勝利を収めた後、ソ連はアフガン全土で反乱に直面した。ただ、ロシアが完全に制空権を握っていたことから、最初はそれほど効果的な反乱ではなかった。 バイデン米大統領がきょう直面するジレンマと重なる部分もあるが、レーガン政権はソ連との核衝突の可能性を恐れ、当初は反乱勢力への対空兵器の供与に消極的だった。 86年までにはレーガン政権当局者の間で、反乱勢力の勝利の助けとなりうる兵器の供与に消極的な姿勢は消え去っていた。米中央情報局(CIA)がアフガン人にスティンガー対空ミサイルを供与した結果、ソ連の航空優勢に終止符が打たれ、戦場でソ連軍に甚