来年4月からの消費税増税が確実視されている。当初の予定通り、5%から8%へと税率が引き上げられたら、日本経済にどんな影響があるのか。経済アナリストの森永卓郎氏が解説する。 * * * 消費税率がアップしたら、具体的にどのようなことが起こるでしょうか。当初の計画通り消費税率が3%上がったとすると、その影響で消費者物価は2%上がるというのが大方のエコノミストの一致した見解です。 一方で、インフレターゲットに踏み切った日銀は、2年後に消費者物価を2%上げる目標に向かって金融緩和を継続していく。消費税増税のタイミングにあたる来年4月はちょうどその折り返し点となるので、計算通りなら、物価は1%上がっていることになります。消費税の引き上げ分と金融緩和による分を合わせた物価上昇率は3%になるわけです。 それに対して、賃金の上昇率はどうか。現在も中小企業の業績はまだ一向に良くなっていませんから、賃金は上が
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