私の名前「潤子」は父の名前から一文字をとってつけられました。 でも、私はその父に一度も会ったことがありません。 私が生まれる前に亡くなったからです。 父はどうやって亡くなったのか。 それは、母にすらも詳しく知らされていませんでした。 「父の最期を知りたい」、そう願い続けて80年。 導かれるように出向いた先で待っていたのは、初めて感じる父の“存在”でした。 (釧路放送局記者 中山あすか・おはよう日本ディレクター 伊藤亜寿佳) 私たち取材班が福島県西郷村に住む植木潤子さん(80)のもとを訪ねたのは2024年8月。農家の潤子さんは手作りのしそジュースと桃を用意して、私たちを迎えてくれました。 そして、傷んだところをテープで貼り直した箇所がいくつもある古いアルバムをめくりながら語り始めました。
