毎日、子ども達に音読の宿題が出るため、手を動かしながら耳を傾けている。 息子は今、宮沢賢治の「やまなし」を読んでいる。 「やまなし」は何度か読んでいるので、内容は把握しているつもりだったが、息子が読み上げるのを聞いているとまた違った景色が見えてくる。 「クラムボンはかぷかぷ笑ったよ」 息子は「かぷかぷ」を空気を大きく吸い、含みをもたせながら「かぷかぷ」と読むので、言葉が波に浮かんでいるような気がする。かぷかぷ。 それを聞くと、私も娘も「かぷかぷ」「かぷかぷ」と同じように言いたくなって、その時ばかりは「かぷかぷ」しか言わない私達の会話が始まる。 「かぷかぷ。」 「かぷかぷ?」 「かぷかぷ!!」 もう、何のことやらわからない。 親子だから辛うじてわかるかな?と言うくらい。 そして、娘はその後、Eテレ「にほんごであそぼ」でやっていた「クラムボンは笑ったよ〜♪」の歌を歌いだす。 リズムに乗った「や