「外交」「安全保障」と聞くと、「歴史経緯が複雑でわかりにくい分野」「専門家に任せておけばいいもの」という風に考えるビジネスパーソンが多いのではないだろうか。しかし、7月16日の衆議院本会議で可決した安全保障関連法案に象徴されるように、今、国の外交や安全保障は大きな変革期にある。イメージで語るのではなく、現実をしっかり押さえた「外交リテラシー」は、ぜひ持っておきたい。そこで、外交や安全保障についての基礎講義をお届けする。第1回は安全保障関連法案について。 安全保障関連法の改正案は、7月16日、衆議院で可決され参議院に送られた。法案が提出されてからちょうど2カ月であり、国民の理解が進まないなかでの採決であった。 そもそも、これはどのような法案なのか、深いところを知らない読者が多いのではないだろうか。改正法案が分かりにくいのは大きく言って2つの理由がある。一つは、実質的には11本の法改正案である