「1日に水分を1.5リットル取る習慣をつければ、認知症はよくなります」 そう断言するのは、40年以上認知症介護を研究している国際医療福祉大学大学院の竹内孝仁教授。 「人間の細胞は水がないと作られません。胃で消化吸収された食べものは、タンパク質分解酵素によって腸でアミノ酸に分解されます。そしてアミノ酸は血液に乗って各細胞に運ばれます。このタンパク質の分解作業は水がないと成り立たない。人体からは1日に約1.5リットルの水分が尿として出ていくので、その分を補う必要があるわけです。また、体から水分が失われると血液がドロドロになり、意識障害が起こることも。そうなると認知症も悪化するため、水分補給はきわめて重要なのです」(竹内教授・以下同) 水を飲む――そんな簡単なことで認知症が改善? そこで記者は半信半疑で特別養護老人ホーム「杜の風・上原」(東京都渋谷区、以下「杜の風」)を訪れた。ここでは、入居者が