停学中に寝ないで読破 進学先に早稲田の文学部ロシア文学科を選んだのは、高校2年の時にドストエフスキーを読んだからです。 当時、不良のたまり場の喫茶店に出入りして1週間の停学になり、自宅謹慎していたんです。そのとき、暇だったので家にあったロシア文学全集の『罪と罰』を読み始めました。ハマりましたね。『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』など長編すべてを寝ないで読破して、ほとんど洗脳状態です。 翻訳で読んでこんなに感動するんだから、原語ならもっとすごいに違いないと思って調べたら、露文科があるのは東大や早稲田など4大学。私立文系だった自分が選べたのが早稲田でした。 ドストエフスキーのすごいところは、書きながら登場人物それぞれに憑依していること。普通、小説はたいてい一人称か、そうではない場合は作者が神の視点に立ち、人形を操るように登場人物を動かします。 でもドストエフスキーはすべての登場人物に人格を与え、互
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