森友学園問題をめぐってファーストレディーの安倍昭恵夫人に注目が集まっている。昭恵夫人の言動には戸惑うことが多い。防潮堤批判や脱原発のような左派的な政治行動をとる一方で、塚本幼稚園の右派的な教育方針を称賛する。しかも、本人はそれを矛盾とは捉えていない。これは一体何なのか?
前回の「【復元】菅野完氏の「性的暴行」を報じた『週刊金曜日』のステマ疑惑 #週刊金曜日 #中島岳志」の続きです。本当に『週刊金曜日』が、このステマ的手法に関わったのかどうかなど、事実関係について『週刊金曜日』編集部で北村肇社長と平井康嗣編集長に聞いてきました。 『週刊金曜日』7月15日号の記事〈ベストセラー『日本会議の研究』で注目の作家 菅野完氏が性的「暴行」で訴えられていた〉について、記事に登場する被害者女性が、別の性的被害者を利用してステマ的な手法によってネットで記事を拡散し、評論家の中島岳志氏も加わって菅野氏の言論活動を潰すためのリンチが演出されました。これに『週刊金曜日』も関わっていたのではないかと指摘されていることから、事実関係を確認するための取材でした。 しかし取材後、記事に掲載するための『週刊金曜日』側のコメント内容を確認する段になって、『週刊金曜日』側が「やっぱ取材はなかっ
▼本編(114分)フル視聴は以下のURLから(「文藝春秋 電子版」初回登録は「月あたり450円」から) https://bunshun.jp/bungeishunju/articles/h6051 【フル動画】小泉悠×太田啓之×高橋杉雄「アニメの戦争と兵器」 ▼「文藝春秋 電子版」掲載のテキスト記事はこちら 小泉悠×高橋杉雄「ウクライナ戦争『超精密解説』」(2023年5月号掲載) https://bunshun.jp/bungeishunju/articles/h5941 太田啓之「《語り残した事は多い》宮﨑駿が漫画版「ナウシカ」に描いた“最後の1コマ”の真意とは?」 https://bunshun.jp/bungeishunju/articles/h6151 小泉悠×高橋杉雄「ウクライナ戦争『超精密解説』」(2022年9月号掲載) https://bunshun.jp/bungei
Latest documentary "Oyster Factory" has been officially invited to Locarno International Film Festival 2015! 最新作『牡蠣工場』がロカルノ国際映画祭へ正式招待されました! 明日から渋谷のシアター・イメージフォーラムで『選挙』の再上映が始まる。DVDも出てるし、日本のみならず世界中でTV放映もされた作品だ。それなのに、まだまだこの映画にタブー感を抱く人たちがいる。そのことを痛感する出来事に遭遇したので、勇気を出して紹介したい。 7/2(火)に予定されている千代田区立・日比谷図書館での『選挙』上映と山さんとのトーク、実は開催を危ぶまれていた。なぜか?先週の金曜日(6/21)、千代田区図書・文化資源課が上映に懸念を示し、図書館を運営する指定管理会社が中止を一方的に決定したからだ。 すでにチ
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マガジン9 憲法と社会問題を考えるオピニオンウェブマガジン。 |「マガジン9」トップページへ|「カフェ・ハチャムの挑戦」:バックナンバーへ| 2011-11-11up 中島岳志の「希望は、商店街! 札幌・カフェ・ハチャムの挑戦-その2」 第7回 橋下徹の言論テクニックを解剖する その2 -ありえない比喩、前言撤回、ふっかけ、 涙、脅し、言い訳…… ■「たとえ話で論理をすり替える」 前回に続いて、橋下徹氏の言論術を彼自身の著書『図説・心理戦で絶対に負けない交渉術』(日本文芸社)を使って分析してみたいと思います。 この本の第2章のタイトルは「相手を言いくるめる詭弁の極意」。以下で検討する橋下氏のテクニックは、本人が「詭弁」であることを認識し、「相手を言いくるめる」ことを目的として提示しています。まずはこのことを、はじめに確認しておきたいと思います。 橋下氏は、ここで次のように言います。 絶対に
元横綱・日馬富士(はるまふじ)による暴行事件は、いつの間にかナショナリズムの問題へと転化している。暴行現場で同席していた白鵬が、九州場所の優勝インタビューで館内を巻きこんで万歳三唱をすると、「品格」や「国技」という言葉が飛び交い、モンゴル人力士へのバッシングが加速した。矛先は日馬富士よりも白鵬に向けられる。 『週刊文春』12月14日号には「『貴ノ岩暴行』本当に悪いのは誰だ?」という記事が掲載され、「緊急アンケート」の結果が公表されているが、第二位の日馬富士を抑えて、白鵬が第一位となっている。寄せられた回答として「相撲と日本人を舐(な)めきっている」「モンゴル力士で一番の癌(がん)」といった声が紹介されている。 星野智幸は、「滅亡寸前の大相撲を救ったのは、『スー女』である。」(スポーツニュースサイトVICTORY12月6日)の中で警告を発する。星野が注目するのは「品格」という言葉の、あいまい
この夏、安倍晋三総理大臣が戦後70年に際して発表すると報道されている談話について、日本国内でも海外でも強い関心が寄せられております。 下記に名を連ねる私共国際法学、歴史学、国際政治学の学徒は、日本国の一員として、また世界に共通する法と歴史と政治の問題を学問の対象とする者として、この談話にかかわる諸問題について多年研究に携わってまいりました。 私共の間には、学問的立場と政治的信条において、相違があります。しかしながら、そのような相違を超えて、私共は下記の点において考えを同じくするものであり、それを日本国民の皆様と国政を司る方々に伝え、また関係する諸外国の方々にも知って頂くことは、専門家の社会的責任であると考えるに至りました。ここに以下の所見を明らかにする次第です。 (1)戦後70年という節目に表明される総理談話は、なによりもまず、大多数の国民が飢餓に苦しみ、多くの都市が灰燼に帰していた194
あけましておめでとうございます。 本年もよろしくおねがいいたします。 昨年、2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大と、それに伴う「新しい生活様式」に戸惑う1年になりました。昨年末から年明け、新型コロナウイルスの感染者数は収束するどころか、さらに増えてきており、多くの人たちは「コロナ疲れ」というか、「コロナ慣れ」してしまっているかのようにも感じます。正直、ここまで増えてくると、感染経路を特定するのも困難だし、ワクチンが実用化されて普及するか(とはいえ、こんな短い期間で開発されたワクチンはちょっと怖いな、とも思うのですが)、ほとんどの人が既感染者になってしまうしかないのかな、とも考えてしまいます。ただ、あまりにも急速に感染拡大すると、医療機関で対応しきれなくなってしまうため、なんとか感染者数の爆発的な拡大を抑制したいところではありますが…… このブログでは、毎年、新年最初のエントリは、「現
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一昨年4月に発売された『土偶を読む』。考古学の実証研究とイコノロジー研究を用いて、土偶は「植物」の姿をかたどった植物像という説(と主張する)を打ち出した本書は、多くの著名人やメディアの後押しもあり版を重ね、学術書を対象にした第43回サントリー学芸賞をも受賞しました。 次の年には子ども向けの『土偶を読む図鑑』(小学館)が出版され、こちらは全国学校図書館協議会選定図書にも選定され、小中学校の図書館にもこの図鑑が公に推薦されることになりました。 しかし、その論証や説には大きな疑問があり、編者である僕、望月昭秀は研究者の皆さんと今年の4月28日に『土偶を読むを読む』(文学通信)を出すに至りました。 『土偶を読むを読む』の内容を超簡単に言えば、「『土偶を読む』での論証は皆目見当違いで破綻しているし、縄文研究ってもっと全然深くて面白いよ」という内容です。 討論会の打診 『土偶を読むを読む』の発売前に、
2008年6月8日12時30分ごろ、東京・秋葉原で無差別殺傷事件が発生した。歩行者天国にトラックで突っ込み、ダガーナイフで通行人を切りつけるという残忍なこの事件によって死者7人、負傷者10人という被害者が出た。 その規模の大きさだけでなく、加害者である加藤智大にまつわる「非正規雇用」「ネット掲示板」といったキーワードがセンセーショナルにメディアを騒がせたこの事件。果たして、彼はどうしてこのような事件を起こすまでに追い込まれていったのか? そして、このような事件が引き起こされてしまう現代とは、どのような時代なのだろうか? これまで論壇誌などで数々の社会的な事件について寄稿し、今年3月にノンフィクション『秋葉原事件 加藤智大の軌跡』(朝日新聞出版)を上梓した北海道大学公共政策大学院准教授・中島岳志氏にお話を伺った。 ――秋葉原事件について中島さんは、事件発生当初からどのように動かれていたんでし
平野啓一郎氏が『ドーン』で提唱した「分人主義」についてメモ。簡単にいえば、人間関係で規定されるペルソナ。 ドーン (講談社文庫) 作者: 平野啓一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/05/15メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (18件) を見る平野啓一郎氏自身による解説。 『クローズアップ現代』再放送 - 平野啓一郎公式ブログ 「個人」の中には、対人関係や、場所ごとに自然と生じる様々な自分がいる。それを僕は、「本当の自分が、色々な仮面を使い分ける、『キャラ』を演じる」といった考え方と区別するために、「分人(ディヴ)」と言っています。 好きな友達や家族の前での自分は、必ずしも「演じている」、「キャラをあえて作っている」のではないし、逆にあわない人間の前では、イヤでもある自分になってしまうわけで、人間が多様である以上、コミュニケーションの過程では、
■ 尽きない平成に関する視点/論点 これまで2度にわたって、平成の総括について書いて来たわけだが、続々と出て来る、平成に関する書籍や記事を拝読していると、まだ自分が気づいていない、あるいは気づいていても必ずしも十分にカバーしきれていない重要な論点や視点がたくさんあることを痛感する。当面、そのようなものを見つけるごとに、備忘録の意味でもその論点にコメントを付記してブログにも書き残しておきつつ、ある程度溜まって来た時点で、あらためて『平成総括』を書いておきたいと思う。 今回特にそのように考えるきっかけを与えてくれたのは、少し前のことになるが、2017年8月に東京工業大学で行われた公開シンポジウムをベースにまとめられた『平成論「生きづらさ」の30年を考える』*1だ。シンポジウムのテーマは宗教/スピリチュアリティであり、いずれも同大学のリベラルアーツ研究教育院に所属する、池上彰、弓山竜也、上田紀行
中島岳志の「自民党を読む」(3)安倍晋三 保守への思想的関心よりも、アンチ・リベラルの思いが先行している政治家 中島岳志 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授 著書の少ない総理大臣 史上最長の首相在位期間が射程に入ってきた安倍晋三総理大臣。肯定的な評価と否定的な評価に真っ二つに分かれる人物ですが、どのようなヴィジョンや政策、特徴をもった政治家なのか、私たちははっきりとつかみ切れていないのではないでしょうか。 連載の第3回は、いよいよ現役総理に迫ります。いつものように著書をじっくり読むことで検証してみたいと思います。 安倍さんが著者として出している書籍は、共著を含めると基本的に以下の7冊です。 ① 『「保守革命」宣言-アンチ・リベラルの選択』(栗本慎一郎、衛藤晟一との共著) 現代書林、1996年10月 ② 『この国を守る決意』(岡崎久彦との共著) 扶桑社、2004年1月 ③ 『安倍晋三対
その政治手法への批判をものともせず、橋下徹・大阪市長は世論をぐいぐい引きつけている。産経新聞は1月、「日本のリーダーとして最もふさわしい」とする世論調査の結果を掲載。記者団に感想を求められた橋下氏は「聞いて下さいよ。ハシズムと言って批判している人に」。そこで聞いてみました、橋下さん人気の理由――。 ■北大・山口教授、中島准教授 まず訪ねたのは北海道大大学院の山口二郎教授(政治学)。「既成政党が低迷して、政治の軸が見えないから、期待が高まっている」と分析する。 朝日新聞の2月11、12日の世論調査では民主党の支持率が17%、自民党が12%。一方で、次の衆院選で大阪維新の会が国会で影響力を持つような議席を「取ってほしい」と答えた人は54%にのぼった。 「既得権益」との対決構図をつくり、冷遇されていると思っている人たちから喝采を浴びる――。山口氏は、橋下氏がそんな政治ショーを演じ続けているように
自民党が政権に返り咲き1年が経過した。その振る舞いを政治学者の中島岳志さん(38)は「保守思想が批判してきた共産主義体制のようだ」と批判する。安倍晋三政権が推し進めようとする憲法改正や集団的自衛権の行使容認、そして強行採決された特定秘密保護法案に靖国神社参拝、拡大を続ける格差社会−。「決める政治」が見落とす、あるいは見て見ぬふりをするものとは。 ■保守から逸脱 安倍内閣は保守政権と言われるが、僕からすれば全くの逸脱で、どんどんと離れていくように見える。 保守思想の根本は、近代啓蒙(けいもう)主義などに基づいた革命思想に対する反発。ベースにあるのはエリートや、何人かの人間の理性によって、世の中が良くなるという完成可能性に対する批判です。 人間はどうしようもない誤謬(ごびゅう)や知的・倫理的限界を持っている。だから、保守は個の理性を超えた価値を見いだそうとする。過去に多くの人が集団的に
湯浅 誠(ゆあさ まこと、1969年4月23日[1])は、日本の社会活動家、政治学者。特定非営利活動法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長。 反貧困ネットワーク事務局長、内閣府参与(緊急雇用対策本部貧困・困窮者支援チーム事務局長、内閣官房震災ボランティア連携室長、内閣官房社会的包摂推進室長)、法政大学教授(~2019年)を歴任[2]。2019年より東京大学特任教授[3]。2008年(平成20年)末に日比谷公園で行われた「年越し派遣村」の「村長」としても知られる。埼玉県所沢市在住[4]。 経歴[編集] 東京都出身[5][注 1]。小平市立小平第二中学校[要出典]、私立武蔵高等学校を経て[9]、東京大学法学部卒業[10]、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得後中退[10][11]。 2008年に年越し派遣村の「村長」を務める。また、民主党が社会民主党、国民新党と共に連立政権(
日々、ドラマが起こる大阪拘置所の窓口にて 拘置所の窓口では悲喜こもごもの人生模様を垣間見る。 息子さんが突然逮捕されたようで、差し入れ方法がわからず窓口で途方に暮れる母親、学校を休んで父親に会いに来たらしい小学生のお嬢さん、兄貴分の激励のため訪れたと思しき入れ墨のおっさんなど、国家に身柄を拘束された近しい人たちを支えるため、老若男女が訪れる。 基本的に未決拘禁者が一時的にとどめ置かれる拘置所。出入りが激しいので面会や差し入れのために訪問する人たちの顔ぶれは日々移ろっていく。そんななか、大阪拘置所には係員たちに「おはようございます」と挨拶をかわすなどベテランの風格を漂わせる一団が通っている。籠池夫妻の支援者たちだ。 あれだけ世間の注目を浴びていたふたりは一体、どのように過ごしているのだろうか? 残念ながら接見禁止措置が講じられているので面会はおろか、手紙のやりとりや写真を送ることすら禁じられ
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頭山 満(とうやま みつる、安政2年4月12日(1855年5月27日)[1] - 昭和19年(1944年)10月5日[1]、幼名:乙次郎)は、日本の国家主義者[2]、アジア主義者[3]、西日本新聞創業者。号は立雲[1]。 1878年に板垣退助の影響で自由民権運動に参加して国会開設運動を行い、向陽社(のち共愛会)を創設したが、1881年に国会開設の詔勅が出ると共愛会を玄洋社と改名し、自由民権論から離れて国権伸張を主張し、大アジア主義を唱導するようになり、玄洋社の中心人物として対外強硬論を主張し続け、孫文の中国での革命運動への支援や韓国併合などを推進した[3]。 概略[編集] 頭山満の組織した玄洋社は、日本における民間の国家主義運動の草分け的存在であり、後の愛国主義団体や右翼団体に道を開いたとされる。また、教え子の内田良平の奨めで黒龍会顧問となると、大陸浪人にも影響力を及ぼす右翼の巨頭・黒幕的
2012年01月18日10:01 カテゴリ法/政治 橋下徹氏のサンドバッグになった山口二郎氏 いろいろ話題になっている橋下徹市長と山口二郎教授の討論がネットに残っていたので見た。おもしろい。 ひとことで言うと、山口氏はサンドバッグ状態である。それもグローブを装着して身構えているボクサーの前に顔を突き出して「殴ってください」と言ったようなものだ。1時間近い番組の中で、橋下氏が大阪都構想や教育基本条例を大々的に宣伝したのに対して、山口氏が言ったことは「選挙で勝ったからといって正しいとは限らない」といった超原則論だけ。 テレビの討論番組が、これほど一方的になるのは珍しい。普通は、山口氏のような人は出てこない。橋下氏の政策の中身をほとんど知らないで、「競争原理はよくない」といった抽象論だけで批判できると思っていたのだろうか。私も彼の本を読んであきれたことがあるが、北大グループはいまだに絶対平等主義
著書『日本会議の研究』で知られる菅野完氏が女性に「性的暴行」を加えたとして『週刊金曜日』に報じられていた件で、被害女性が菅野氏を相手取って起こしていた民事訴訟の判決が、8月8日に東京地裁で言い渡されました。菅野氏に損害賠償等計110万円の支払いを命じる判決でした。 これを受けて、菅野氏の代理人である三浦義隆弁護士が、一連の経緯を詳細に公表しました。その内容の踏まえながら、被害女性の側の問題点について改めて整理します。 ■これまでのおさらい この件については1年ほど前、このブログで2本の記事を書きまいした。 【復元】菅野完氏の「性的暴行」を報じた『週刊金曜日』のステマ疑惑 #週刊金曜日 #中島岳志 『週刊金曜日』、記事の信憑性が怪しくなってきた どちらも長ったらしいので、ざっくりまとめると、こんな話です。 被害女性は、2012年に菅野氏に押し倒されキスされたため不眠やうつになったと主張 20
『ビッグイシュー(168号)』に、中島岳志氏と、 『お寺カフェ』*1、『彼岸寺』*2 の松本圭介氏 の対談が掲載されている(参照)。 仏教については、虚無をめぐる考え方がずっと気になっているのだが、 父が死んだときの葬儀屋と僧侶が、あまりに耐え難い人たちだった 俗世秩序を単に肯定し、変革を否定する抑圧思想ではないかという疑念*3 などから、少なくとも現存する社会インフラとしては、「巻き込まれてはたまらない」と思っていた*4。 以下、上の記事より(強調は引用者): 中島岳志: 私は今36歳なので、20歳の時が95年なんですね。松本さんは? 松本圭介: 79年生まれ、31歳です。 中島: 95年にオウム真理教事件と阪神大震災があったんですが、私はポストモダンの延長上にある思想に非常に違和感を覚えていて、親鸞とか保守思想みたいなところに軸足を置いていったんです。松本さんが学生だった90年代後半は
自民党が16日閉会した通常国会への提出を見送った「LGBT理解増進法案」。超党派の議員連盟で合意したものの、「差別は許されない」という文言が入ったことに自民党内で保守派議員が強く反対した。保守派は、差別を許さないという、当然とも思える内容になぜ反対し続けるのか。そして、保守派でありながらLGBT法案の成立に向けて奔走した稲田朋美議員をどう評価すべきか。「この問題の鍵は稲田氏にある」と語る中島岳志・東京工業大教授(日本政治思想)に読み解いてもらった。【藤沢美由紀/デジタル報道センター】 「保守」とは何か ――自民党は「LGBT理解増進法案」に慎重な立場の保守派議員に配慮し、会期末まで2週間以上を残して法案提出の見送りを決めました。議論の中では保守派議員からLGBTへの差別発言もありました。考えの違いはあるにしても、困難に直面している当事者たちの訴えと、大きな隔たりを感じます。一連の流れをどう
中沢 新一[注釈 1](なかざわ しんいち、1950年5月28日 - )は、日本の宗教史学者[3]・文化人類学者[4]。 千葉工業大学日本文化再生研究センター所長。京都大学こころの未来研究センター特任教授。秋田公立美術大学客員教授。 チベット密教と構造主義をつなげた『チベットのモーツァルト』(1984年)が、斬新な切り口で話題になる。現代思想界の代表格として活躍。著書に『森のバロック』(1992年)、『野生の科学』(2012年)など。 人物[編集] クロード・レヴィ=ストロース、フィリップ・デスコーラ、ジャック・ラカン、ジル・ドゥルーズ等の影響を受けた現代人類学と、南方熊楠、折口信夫、田邊元、網野善彦等による日本列島の民俗学・思想・歴史研究、さらに自身の長期的な修行体験に基づくチベット仏教の思想研究などを総合した独自の学問「対称性人類学」を提唱する。 2011年の東日本大震災以降は、エネル
保守主義の本来 このごろの日本において、「自分は保守だ」といえば、「自民党支持」とイコールでほぼ繋がれてしまうかもしれない。 いや、近ごろは野党にも保守を称するものが出てきているので、そうとも言い切れないが。 いずれにせよ、現実の政党名と結び付けられてしまう。おもしろくない話だと思う。 そりゃあもちろん、現実の社会に現実の政治というものがあって、現実の政治家が政治をしている。 現実のわれわれは現実の投票行動などの政治活動をして、その結果、そうなっている。現実とは無縁でいられない。 とはいえ、保守主義というものがあったとして、現実の諸問題に対するスタンスがそれに先んじて出てきて、賛成と反対で色分けされて、「じゃあお前は保守」、「君は革新」と分別されるのはどうなんだ。 現実の諸問題を考える前に、とりあえず保守主義って本来なんだろうかって考えたほうがいいんじゃないのか。 なんとなくの雰囲気で、保
磯部涼『令和元年のテロリズム』という本を読んだ。 はて、「令和元年のテロリズム」はなんだろうか? あるいは、どれだったろうか? 川崎殺傷事件 取り上げられているのは、まず「川崎殺傷事件」。これについては、あまり記憶になかった。 朝、私立小学校のバス待ちの列に包丁を持った男が襲いかかり、児童一名、その児童とは別の児童の保護者一名の生命を奪った。 ひょっとすると、覚えている人はあまり多くないかもしれない。 なぜならば、犯人が事件直後に自殺しており、なおかつその犯人は実社会にもネットにもなんのつながりもなく長年引きこもっていたからだ。 捜査関係者が「本当に実在したのか」と言うくらい、なんの人生の痕跡も、犯行への意思も残されていなかった。 生まれ育ちからある程度はストーリーが構築できないではないが、直接的な動機については謎である。 元農林水産省事務次官長男殺害事件 とはいえ、この事件の影響があった
フリーアナウンサー長谷川豊の人工透析患者に対する暴言が問題になった。彼は「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!」「無理だと泣くならそのまま殺せ!」とブログに書き、厳しい批判にさらされた。 病気やけが、障害などのリスクは万人が直面する問題である。いくら健康に気を使っていても、突然病気にかかる可能性はなくならず、今日と同じ明日を迎えられるかは、常に不透明だ。そのような身体の不順やリスクに対して、原理的な自己責任論を適用してはならない。自分で治療費を負担できない人間は生きる価値がないという結論を導くことになり、最終的に公助や共助の対象となる人間は「不要な存在」と見なされかねない。生命に優劣をつける発想は、おぞましい優生思想を生み出す。 今回の暴言を目の当たりにして想起したのは、石原慎太郎の過去の発言である。彼はかつて「女性が生殖能力を失っても生きているってのは無駄で罪です」と述べ
「もはや先進国ではない日本は、『堕(お)ちる道を堕ちきる』ほかない――」。東京オリンピックが閉幕した。数々の不祥事に加えて、東京都の新型コロナウイルス感染者数が期間中に過去最多を記録するなど問題にまみれた大会だった。中島岳志・東京工業大教授が、日本と五輪の本当の姿を射抜き、処方箋を提示した。【聞き手・鈴木英生・オピニオングループ】 日本衰退を可視化した東京五輪 まずは、あまりに問題だらけの大会でも、全力を尽くされたアスリートの方々に、敬意を表したい。そのうえで、今やるべきではない五輪をやってしまったとしか言いようがない。せめて、あと1年延期すべきだった。今大会の反省を踏まえて、五輪のあり方は根底から問い直されねばならない。 1964年の東京大会が戦後復興と高度成長の象徴ならば、今回は日本の衰退を可視化したイベントとして語り継がれるだろう。新型コロナウイルス禍への政府の対応のまずさはもちろん
血盟団事件(けつめいだんじけん)は、1932年(昭和7年)2月から3月にかけて発生した連続テロ(政治暗殺)事件。 血盟団と呼ばれる暗殺団によって政財界の要人が多数狙われ、井上準之助と團琢磨が暗殺された。当時の右翼運動史の流れの中に位置づけて言及されることが多い。 「血盟団」「血盟団事件」の名前の由来[編集] 一般に「血盟団事件」と呼ばれているが、正式名称を「血盟団」とした集団が存在したわけではなく、厳密にいえば俗称である。 1930年末に、当時井上日召が利用しようと考えて関係を深めていた日本国民党が開いた忘年会の席での党委員長寺田稲次郎による発言が発端である[1]。 これ以後、井上の周囲に集まったグループを指して、一部の国家主義者たちがひそかに「血盟団」と呼ぶようになった[1]。しかし、井上たちが自称したものでも正式名称でもなく、彼らは自分達に名前を付けることを拒み続けた[1]。 また、事
政治化する30代論客 同世代による思想誌創刊へ 2008年01月19日12時25分 沈滞がささやかれて久しい論壇で、このところ若手、とりわけ30代の活躍がめざましい。格差や若者労働にナショナリズム、社会主義革命。政治の再生を強く、時に過激に、問題提起してみせる。80〜90年代初めに流行したポストモダニズムの「脱政治化」の流れを変える勢いで、この世代による思想誌の創刊も決まっている。 ■格差打開 今だからレーニン 「微温的な左翼では駄目。もっと強烈な思想を対象にしたいと思った」 日本学術振興会特別研究員、白井聡さん(30)は、昨春発表した『未完のレーニン』(講談社選書メチエ)の執筆動機を、そう語る。ブルジョア国家を破壊する革命はユートピアではなく、プロレタリアートの本来的な「力」の結集によって現実に、常にすでに起こっているという主張を、フロイトも絡めて読み解く政治思想の書。各紙書評のほか、昨
いよいよ、大阪市を廃止して五つの特別区を設置するいわゆる「大阪都構想」の住民投票の投票日が次の日曜日(2015年5月17日)に迫ってきました。大阪では連日、維新の党(大阪維新の会)がスポンサーとなったテレビCMが流されている、と聞きます。 橋下徹の交渉テクニック筆者はこれらのCMをユーチューブで閲覧して、以前読んだある論考を思い出しました。それは北海道大学准教授の中島岳志氏が書いた下記の論考です。 「橋下徹の言論テクニックを解剖する」 この論考は、橋下氏が過去に書いた著作『図説・心理戦で絶対に負けない交渉術』という本を引用しながら、橋下氏の交渉テクニックを分析したものです。住民投票を前に、橋下氏の言論を評価する上では大変重要な論考なので、投票するかしないか、賛成か反対かを迷っている方は是非お読み下さい。 ここで引用されている橋下氏の書物を孫引きすると 交渉において相手を思い通りに動かし、説
いま権力の中心にある「自民党」とはどのような政党なのか? 安倍首相とはどんな人物なのか? これからの日本の選択を考える際の重要な指標となる、政治学者・中島岳志氏の最新作『自民党 価値とリスクのマトリクス』(スタンド・ブックス)。安倍首相を分析した章を特別公開!(初出:『論座』「中島岳志の『自民党を読む』」朝日新聞社) 安倍晋三という政治家の「地金」 史上最長の首相在位期間が射程に入ってきた安倍晋三総理大臣。 肯定的な評価と否定的な評価に真っぷたつに分かれる人物ですが、どのようなヴィジョンや政策、特徴を持った政治家なのか、私たちははっきりとつかみ切れていないのではないでしょうか。 現役総理の著書をじっくり読むことで検証してみたいと思います。 安倍さんが著者として出している書籍は、共著を含めると基本的に以下の7冊です。 1『「保守革命」宣言― アンチ・リベラルへの選択』栗本慎一郎、衛藤晟一と
浜田 敬子 [ジャーナリスト/前Business Insider Japan統括編集長] Sep. 14, 2021, 07:05 AM 政治 17,373 左から自民党総裁選に立候補した河野太郎行政改革相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相。 REUTERS/Issei Kato/Kim Kyung-Hoon 9月17日に告示される自民党総裁選。岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、河野太郎行政改革相の3氏が立候補を表明し、石破茂元幹事長、野田聖子幹事長代行が立候補への意欲を示している。各氏がどういう政治姿勢や価値観を持っているか、その政治理念の関係はどうなっているのか。 政治学者で東京工業大学教授の中島岳志さんは、ぞれぞれの著作やインタビュー記事を読み込み、政治家を「価値とリスクのマトリクス」を使って分類している。今回の総裁選に関係する議員について、そのマトリクスで分析してもらった。
日本の政治がおかしくなってしまったのはなぜか。小説家のいとうせいこうさんと、政治学者の中島岳志さんは「死者をないがしろにする現状に問題がある」と指摘します。そんな現状に危機感を募らせる2人が、2011年の東日本大震災をきっかけに考え至った「日本の課題」について語ります。 3・11以降、ふたりが考えていた「死者」の問題 中島 岳志(以下、中島):私は、2月に『保守と立憲 世界によって私が変えられないために』(2018年)という本を出しました。この本は、3・11以降、さまざまな媒体に書いた評論に、書き下ろしの章や立憲民主党代表・枝野幸男さんとの対談を加えて1冊にまとめたものです。その意味では、3・11が起点になってできた本でもあります。 3・11のとき、いとうさんと僕は、ほとんど同時に「死者」という問題を考えていたと思います。地震があってすぐ、私は、この本にも収録されている「死者と共に生きる」
その新書の原稿は春ごろには完成していたが、十月刊行予定とのことでだいぶ待たされた。東大卒、20代、男の編集者Kは、『大河ドラマ入門』でひどい仕事をした奴で、その時『小説宝石』で宮崎哲弥氏と対談した際も、再校ゲラで宮崎氏の直しが反映されていないなど、この社の質の低下ぶりを窺わせるものがあったが、もう一回つきあったのである。 時間があるからブラッシュアップしましょうなどと言って、Kは、テクスト形式のままいくつか直しを提案したが、存外マイナーな修正しかなかった。 そして八月末になって、いよいよやるというのでゲラにして、校閲に見せるというので、私は用意しておいた「校正に関する覚書」を送った。以下のごときものである。 一、みだりに語の統一をしない。「とき」と「時」、「ころ」と「頃」などは、文脈に応じ、その周辺の漢字の量などを勘案して使い分ける。 二、差別語のむやみな規制はしない。「シナ」「看護婦」「
中野 剛志(なかの たけし、1971年〈昭和46年〉10月25日[1] - )は、通産・経産官僚、評論家、思想家[2][3]。学位はPh.D.(エディンバラ大学・2005年)。経済産業省商務情報政策局消費・流通政策課長、同局大規模小売店舗立地法相談室長、同局物流企画室長[4]。筆名に東田 剛(ひがしだ つよし)がある。 京都大学大学院工学研究科准教授、特許庁総務部総務課制度審議室長、経産省商務情報政策局情報技術利用促進課長、経産省大臣官房参事官(グローバル産業担当)などを歴任した[5][6]。 来歴[編集] 神奈川県出身[3]。実家はリサイクル業[7]。攻玉社中学校・高等学校卒業[7]。現役時に京都大学に落第し[8]、河合塾横浜校を経て[7]、東京大学教養学部教養学科第三(国際関係論専攻)卒業。西部邁の私塾・表現者塾出身[9][10]。 予備校の講師から「国際関係論を学ぶには佐藤誠三郎が良
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