「身の丈」発言は英語入試を「正しく」表した 大臣の言葉であらわになった本質。撤回・釈明しても問題は消えない 刀祢館正明 朝日新聞記者 萩生田光一・文部科学大臣には感謝したい。「複雑でわかりにくい」と言われてきた新しい大学入試の英語が抱える問題の核心を、たった一言で明らかにしてくれたのだから。 その一言とは、今やすっかり有名になった「身の丈」発言だ。 10月24日のBSフジの番組に出演した萩生田大臣は、キャスターから大学入試に英語民間試験を使うことについて、お金や住む場所などに恵まれている受験生と、そうでない人との「公平性」について問われ、こう答えた。 「自分の身の丈に合わせて2回(の英語民間試験)をきちんと選んで勝負して頑張ってもらえれば」 どういうことか。 おさらいをすると――2020年度から始まる新しい大学入試の英語では、受験生は、新しい「英検」や「GTEC」(ベネッセが実施)など七つ