警察内部の対立 安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけにして、日本の警察の内部対立が一気に表面化している。 まず驚くべきは、銃撃事件の後、米村敏朗、池田克彦、高橋清孝ら、警視総監をつとめた警察OBの面々が「警備の大失態」と、次々と異例の「断罪の声」を上げたことだ。 結果的に彼らが、安倍内閣のいわゆる「官邸ポリス」だった中村格警察庁長官、警視庁の大石吉彦警視総監の両トップに、引責辞職の引導を渡すかたちとなった。 警察庁長官の後任には、銃撃事件の検証チームのリーダー・露木康浩次長が就任、「玉突き人事」で、小島裕史官房長も昇格し、新総監には、緒方禎己生活安全局長の起用が有力視されている。 じつはこうした動きには、警察内部の権力闘争という側面もある。ポイントは、これまで弱体化を続けてきた警察庁の一部門である「警備警察」(未然に事故や事件を防ぐ部署)が、復活の兆しを見せているということだ。 警備警察の弱体