はっぴぃえんどでの活動を終え、1973年に職業作詞家としての活動を始めて以来、数々の名曲を世に送り込んできた松本隆氏。作詞家として、常に時代の最先端を走り続けてきた同氏だが、「89年のWinkから94年の明菜までが僕の休憩期間だった」と語るように、意外にも作詞から離れていた時期がある。そんな松本氏が、実質的な活動休止状態から再びシーンの中心に舞い戻るきっかけとなった一作が、KinKi Kidsのデビューシングル『硝子の少年』だった。 松本氏が作詞活動を再開した経緯、そして、久々の作詞に込めた思いとは。音楽評論家の田家秀樹氏が、日本を代表する作詞家の軌跡を追った評伝『風街とデラシネ 作詞家・松本隆の50年』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、紹介する。(全2回の2回目/前編を読む) ◆◆◆ KinKi Kidsのデビュー曲「硝子の少年」で復活! 97年、シーンに復帰した松本隆が再びヒットチャ