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  • 【現代詩】「旋 回」 人造人間の見る夢のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

    旋 回 しかし 朝目覚めたときには 確かにそれは重たかった それが 背中から ずるりとはがれ そのまま ずるずると落ちていった あるいは 自分の身体が ふるふると震えながら 浮かび上がったのかもしれない その鉄と石の塊が 柔らかいのは とても 滑らかに動く 精密機械だから 骨のしなやかさに 肉が追いつけないのは それが 温かいから しかし 今 それも 脱ぎ捨てた それが かりに 事故であったとしても 静寂の空間をめぐる軌道 螺旋 細くしなやかな線は 差し出した指先から こぼれる 吹き出す それは 点を 呑み 平面を 穴だらけにする 螺旋 冷たい その線に あるべき 表が こぼした点を 囲む 腐朽船群 (暖淡堂書房) 新品価格 ¥1,200から (2023/6/3 08:00時点) 【現代詩】「旋 回」 人造人間の見る夢のイメージ 現代詩の試み またお立ち寄りください。 どうぞご贔屓に。 d

      【現代詩】「旋 回」 人造人間の見る夢のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
    • 谷川俊太郎さんが「よくできた詩とは思っていない」と言う代表作「生きる」は、なぜ愛され続けるのか?|KOKOCARA(ココカラ)−生協パルシステムの情報メディア

      「生きているということ いま生きているということ」というフレーズは、ふだん詩に触れる機会がなくても、多くの人が知っていることだろう。詩人・谷川俊太郎さんの代表作の一つ「生きる」だ。この詩から新たに生まれた絵本『生きる』(2017年、福音館書店)は、すでに5版を重ねている。1971年に発表されたこの詩が今なお愛され続け、人々に求められるのはなぜか。本や言葉に関する執筆を行うライター・永江朗さんが、谷川さんと絵本の担当編集者に聞いた。 完成していない、ほころびがある詩だから、読んだ人が入ってきてくれた 永江朗(以下、永江) 絵本『生きる』は、谷川さんの詩と岡本よしろうさんの絵で構成されています。この詩「生きる」は、1971年に出た詩集『うつむく青年』に収録されていますから、書かれたのは60年代後半。半世紀にもわたって愛され続けている詩です。 谷川俊太郎(以下、谷川) 自分としては、そんなによく

        谷川俊太郎さんが「よくできた詩とは思っていない」と言う代表作「生きる」は、なぜ愛され続けるのか?|KOKOCARA(ココカラ)−生協パルシステムの情報メディア
      • 詩を書き芸術を生み出す、人型ロボット「エイーダ」

        ピラミッドを背景に展示された「エイーダ」=2021年10月、エジプト・ギザ/Sima Diab/Getty Images (CNN) 人工知能(AI)と聞いてよく思い浮かぶのは、「ターミネーター」「アイ,ロボット」「ウエストワールド」「ブレードランナー」といった映画やテレビドラマに登場する邪悪なロボットたちだ。長年、フィクションは我々に、AIは善よりも悪に利用されることが多いと語ってきた。 一方、AIと聞いて芸術や詩を連想することはまずないだろう。しかし、英イングランド中部オックスフォード在住のエイダン・メラー氏が発明した極めて人間に近いロボット「エイーダ(Ai―Da)」が行っているのはまさに芸術や詩の創作だ。エイーダは世界初のヒューマノイド(人型)ロボットのアーティストであり、2021年11月、イタリアの偉大な詩人ダンテを祝い、自身のアルゴリズムを使って書いた詩を公の場で披露した。 この

          詩を書き芸術を生み出す、人型ロボット「エイーダ」
        • 疲れ

          駅前の線路にそって焼き鳥屋とそば屋と中華料理店がならんでいる。 焼き鳥屋とそば屋の間に桜の大木があり、両隣の店の屋根をおおっている。 目の高さにブリキ板の看板が針金でまきつけてある。 「ゴミは夜る出さないように。」 ㅤ 「夜る」というのが気にいっている。 電車から降りた人達が仕事の疲れをはき出すところ。 その飲みくいのあと片付けをする従業員の疲れ。 "る"は疲れのあつまり。 黒マジックで書かれた字は、はっきりいってヘタ。 「夜る」のまま、針金は茶色く錆びている。 ゴミはいつ桜の根元におかれるのだろうか。

            疲れ
          • 【現代詩】「雨 界」 雨の中で形を失うバスのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

            雨 界 激しく叩く 雨に歪むガラス窓から 立ち現れては崩れる 外の光景をみていると バスのエンジンは 悪い病のように咳こみ きつい山道の 小石を弾き飛ばしはじめる 腰から力を奪うのは きまって 悪い熱だ 逃げるのは 悪い手段ではない 平面を 縦断 できるのなら 夜は谷底の村を飲み込むと じわじわと界面を盛り上げ それに追いつかれないようにと 陽に焼けた赤い顔の運転手は ギヤを鳴らす その跳躍点を 逃さないこと それだけが この目を「目」から解放する 最後の たった一つの 技術 薄暗い停留所で バスは重い息を吐く と 運転手は 慌てるように 黄色い帽子 赤いランドセルの 女の子を一人 おろした 前の座席に 静かに 座っていたのだ そうだ 女の子は ここから先は だめだ 斜めに 逃げているのだ 底から 暗い 深い 平面が追ってくる 指の先から それは こぼれ ふりかえる 闇は静かに 追ってきて

              【現代詩】「雨 界」 雨の中で形を失うバスのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
            • 「思潮社」元代表、小田久郎さん死去 90歳 現代詩の興隆に尽力 | 毎日新聞

              詩の専門出版社「思潮社」の元代表で、現代詩の興隆に尽力した小田久郎(おだ・きゅうろう)さんが2022年1月18日、肺炎のため90歳で死去していたことが分かった。同社が今月28日発売の月刊誌「現代詩手帖(てちょう)」4月号で発表した。葬儀は近親者で営んだ。お別れの会を後日開く。喪主は妻満寿美(ますみ)さん。 東京都生まれ。早稲田大文学部卒。投稿雑誌「文章倶楽部」の編集者を経て、1956年に思潮社を設立。自らも詩を書き、詩集「一〇枚の地図」(56年)を出したが、以後は編集に専念した。59年に「現代詩手帖」を創刊し、戦後詩ブームをリード。68年に始めた廉価版の選詩集シリーズ「現代詩文庫」もヒットし、安保闘争や大学紛争を背景とする60~70年代の詩壇の隆盛を支えた。その業績により同社は91年に菊池寛賞を受…

                「思潮社」元代表、小田久郎さん死去 90歳 現代詩の興隆に尽力 | 毎日新聞
              • よみがえる日本現代詩の先駆者 「幻の天才」左川ちかの魅力 | 毎日新聞

                昭和初期、「女であること」とその孤独に向き合い、乗り越えようとした詩人がいた。10代で翻訳と詩作を始め、モダニズム詩壇で活躍するも、24歳で病死した左川(さがわ)ちか(1911~36年)だ。 今春、書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)から刊行された初の全集にはちかが残したすべての詩、散文、書簡、翻訳が収められている。叙情性を排し、硬質ながらも熱を帯びた詩語たちは、長く「幻の天才」として伝説化されてきた詩人の声の輪郭をくっきりと描き、今ここに響かせる。 8月上旬、シンポジウム「左川ちか2022~新たに開かれる詩/モダニズム/世界」が立命館大(京都市)で開かれた。 「読者にとって身近なテキストを届けたい。それが研究の進展と普及につながるのではないかという思いで全集を編みました」。同大人文科学研究所研究員で本書の編者、島田龍さんは語った。シンポジウムには日本近代詩を研究するエリス俊子さんや英文学者の

                  よみがえる日本現代詩の先駆者 「幻の天才」左川ちかの魅力 | 毎日新聞
                • 10代の頃に書いた詩『冬の夜空』と『やんぬるかな』をブログに公開 - 独学はひとりごつように

                  10代の頃に書いた詩(ポエムノート)の中から『冬の夜空』と『やんぬるかな』の2編を選んでブログに投稿した後に、初老になってから読み返した感想を書いてみようと思います。 ポエムノートに書かれた若かりし頃の痛いポエムをブログに投稿するという苦行を最後までやり遂げたいと思っていますので、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 『冬の夜空』自作詩57編目 『やんぬるかな』自作詩58編目 自作詩を読み返した感想 『冬の夜空』自作詩57編目 春夏秋冬のうち、冬が好きだ 冬の夜空が格別だから それだけの理由で 冬が一番好きだ 散歩中に見る冬の夜空 吐く息の白さに驚きながら その薄い靄の向こうに見える 冬の夜空の彩りにまた驚く それだけのことで 年を重ねるごとに 不思議と、少しずつ 冬を好きになる 『やんぬるかな』自作詩58編目 やんぬるかな その言葉を口にすれば すべてが終わりを告げる やんぬるかな

                    10代の頃に書いた詩『冬の夜空』と『やんぬるかな』をブログに公開 - 独学はひとりごつように
                  • 【現代詩】「吹 雪 祭」 千年の冬と氷の船のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                    吹 雪 祭 雪 夜を 青く落ち 線路の響き 汽笛 凍える声 遠く ここ、に 列車 なめらかな夜を すべり 川岸に 音 凝り 小さな獣たち 闇に溶け 春の痒みに ぬるく 沈み 不意に 首を上げる 青い鹿 細く 目 貫いて 吹雪 重く 林を 祈る枝を ひとがたの根を 氷割れる裸の木を 凍りつく 巨大な建造物を 硬く 厚く 削り すべて 青黒く 崩れ落ち 夜が あけ うずくまる 小さな声 震える 生み落とされた ばかり の 夢の 襞 酷薄 遠い 朝のひかり 氷の船 浮かび 希薄な 風 すべての熱 奪い去り うごめく 腕 千年期 約束の 濡れた 裏 凍える 水晶 搾り 落とし ここ、に 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon 【現代詩】「吹 雪 祭」 千年の冬と氷の船のイメージ 現代詩の試み またお立ち寄りください。

                      【現代詩】「吹 雪 祭」 千年の冬と氷の船のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                    • 10代の頃に書いた詩『あなたの後ろ姿を見ていると』と『後悔』をブログに公開 - 独学はひとりごつように

                      10代の頃に書いた詩(ポエムノート)の中から『あなたの後ろ姿を見ていると』と『後悔』の2編を選んでブログに投稿した後に、初老になってから読み返した感想を書いてみようと思います。 ポエムノートに書かれた若かりし頃の痛いポエムをブログに投稿するという苦行を最後までやり遂げたいと思っていますので、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 『あなたの後ろ姿を見ていると』自作詩36編目 『後悔』自作詩37編目 初老になって読み返した感想 『あなたの後ろ姿を見ていると』自作詩36編目 何もない殺風景な公園であなたとふたり。門限が近づくのも忘れてチラチラと視線を交差させながら話している。 あなたが寒そうにしているから、温かい缶コーヒーでも飲もうかと、ぎこちなく手をつないで、自動販売機のある所まで肩をぶつけ合いながらゆっくりと歩く。 あなたは自動販売機の前に立つと、今度は急いでお金を入れる。ボタンを押し

                        10代の頃に書いた詩『あなたの後ろ姿を見ていると』と『後悔』をブログに公開 - 独学はひとりごつように
                      • 【現代詩】「覚醒/巻き込み」 「私」以外のものからの距離が「私」の形を決めているイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                        覚醒/巻き込み 「私」は多くの犯罪者を探りだした探偵であった。「私」が、自らの正義で裁いた多くの顔が、「ここ」の遠い周縁部を埋めている気配が届く。生きているもの、すでに死んだもの、あったこと、なかったこと、あってもよかったこと、ありえなかったこと、なかったはずのこと。すべて、「私」が、「ここ」にいて裁いたのだ。それらは遠い野生の涯にいて、「ここ」に怨恨の襞を送り続けている。 ***** 「私」は全てのものを理解する。 全てのものを解釈し、名付ける。 そうすることで「私」ではないもの全ての形を決める。 その後で、「私」でないもの全ての中にある空洞としての「私」を見つける。 初めからあったものであるかのように。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 新品価格 ¥400から (2023/1/24 21:14時点) 【現代詩】「覚醒/巻き込み」 「私」以外のものからの距離が「私」の形を決めているイメージ 現

                          【現代詩】「覚醒/巻き込み」 「私」以外のものからの距離が「私」の形を決めているイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                        • 【現代詩】「街」 掘り返され続ける都市のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                          街 空間を切り分ける硝子の目盛りが震え 濁りのない雨が凝り落ち (…膨張し… 「底」からの微かな音に揺れる 臆病な「私」達を温かく濡らし窒息させる …宙を走る文字はどこでも構わない… …「今」を「物」にして… …それがいくらになるかと… …誰のものにもなれる声で呟き… 熱すぎた界面は冷め 「私」達は再び固く重なり (…軋み… 高い空からの「声」を練り込む風に 乾きながら、「同じ」夢の中に温く沈む …その巨大な砲台は休むことなく… …重く詰まった筒を打ち上げ続ける… …遠い「過去」の涯で… …渦を巻き、炸裂する枯葉… 日陰の雪のように しかし、「ここ」にある「過去」が (…斑に… 立ち上がる高層建築の「底」や 地下道に溶け残る …書き記された「言葉」が滑り… …「古代」の木簡は土に溶け… …喰らいながら根は走り… …腐る骨を結びながら捻れ… 層を斜めに突き抜けるエスカレーターが 「私」達の断

                            【現代詩】「街」 掘り返され続ける都市のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                          • 「プレバト‼」鮮やかな添削、俳句査定のツボにはまる(産経新聞) - Yahoo!ニュース

                            【全方位ch】 放送開始10周年を迎えるバラエティー番組「プレバト‼」(TBSテレビ)の俳句査定を欠かさず見ている。芸人や俳優らタレントがお題に応じて俳句をつくり、俳人・夏井いつき先生が講評するコーナーだ。 番組を見るまで、俳句とは、最上川が出てくるといった、国語のテストのために習って覚えたものでしかなかった。だが、出演者の作品と夏井先生の鮮やかな添削に触れ、無駄な言葉を極限まで排し、描きたいものをわずか17文字に収めるからこそ浮かぶ、純度の高い情景に感動を覚えた。 夏井先生の辛口査定や、語順や表現を変えただけで劇的に変化した句に、梅沢富美男と一緒に「あ~、いい!」とうなるのも面白い。でも何より楽しみなのは、作品を通して自分にはない視点を得られることだ。 《サイフォンに潰れる炎花の雨》 《行間に次頁(じページ)の影夕立晴(ゆだちばれ)》 どちらも、半径1メートルの範囲で俳句がつくれると称賛

                              「プレバト‼」鮮やかな添削、俳句査定のツボにはまる(産経新聞) - Yahoo!ニュース
                            • 土井善晴が、茨木のり子「わたしが一番きれいだったとき」から感じたこと | J-WAVE NEWS

                              料理研究家・土井善晴が、本棚にあるお気に入りの書籍を紹介し、人生に影響を与えた一節を紹介した。 土井が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『ACROSS THE SKY』(ナビゲーター:小川紗良)のワンコーナー「DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF」。4月2日(日)のオンエアをテキストで紹介。 数学者の本が料理へのヒントにつながる 土井善晴はフランス料理や日本料理を学んだのち、土井勝料理学校講師を経て1992年に「おいしいもの研究所」を設立し独立。テレビの料理番組で30年以上講師を務めている料理研究家だ。まず小川は、土井の本棚の写真を見ながら、トークを進行した。 DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF 料理研究家 #土井善晴 さんが登場! (@doiyoshiharu) 影響をうけた本の一節を紹介していただきます。#jwave #sky813 pic.twitte

                                土井善晴が、茨木のり子「わたしが一番きれいだったとき」から感じたこと | J-WAVE NEWS
                              • アマンダ・ゴーマンで注目?ミレニアル世代の詩人はその人生も刺激的

                                現地時間1月20日に行われたジョー・バイデン大統領就任式で、詩「The Hill We Climb(私たちがのぼる丘)」を暗唱した22歳の詩人 アマンダ・ゴーマン(Amanda Gorman)が注目を集めています。2020年のノーベル文学賞にはアメリカの女性詩人 ルイーズ・グリュック(Louise Elisabeth Glück)が選出。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」の2021年秋冬メンズコレクションに、ラッパーで詩人のソウル・ウィリアムズ(Saul Williams)が登場したり、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」が公式インスタグラムでフォロワー400万人超の詩人 ルピ・クーア(Rupi Kaur)のライブパフォーマンスを定期配信していたりと、ファッション界でもにわかに「詩ブーム」が到来?スマートフォンに代表されるテクノロジーの発達により、長い小説や活字に抵抗があ

                                  アマンダ・ゴーマンで注目?ミレニアル世代の詩人はその人生も刺激的
                                • 美しい言葉とはどういうもの? 谷川俊太郎×内田也哉子のスペシャル対談。

                                  都内の閑静な住宅街の谷川さんご自宅で行われた「言葉」「本」を巡る対談。内田さん曰く「節目節目にお会いできる」縁が醸し出す瑞々しい空気のなか、「私に日本語という『言葉』を導いてくれた」(内田さん)という谷川さん訳の絵本から話は始まった。 内田也哉子(以下・内田) 谷川さんが翻訳されたウージェーヌ・イヨネスコの絵本『ジョゼットかべをあけてみみであるく』は、私が3歳ぐらいのときに出版されて、当時モノを買ってもらえない家のなかで唯一オモチャらしき存在だったんです。私の言葉の原点で、あらゆる表現のなかで今でも私が影響を受け続けている絵本です。

                                    美しい言葉とはどういうもの? 谷川俊太郎×内田也哉子のスペシャル対談。
                                  • 【現代詩】「よく晴れた朝に」 次の季節は常にすでにすぐそばにきているイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                    よく晴れた朝に つるつるした 秋の 青い 空 切り出された 先端で いびつな円が 身をよじっている 待ちわびた 秋なのに もう 夏を 思い出している 肌の下が さわさわと ざわめいている 小さな冬の塊 家の陰で 震える それを 身体に抱えて 凍える よく晴れた 朝に 波の頭を 一つ 乗り越える 安定軌道をふと飛び越えた 円 が 滑り落ちる 不愉快な面を 逃れた円は 苦しく笑い くるくると するすると 螺旋を描き 加速し 地面に 突き刺さる と 冷たい風 命を断った 彼の言葉に 震えたのは ここ に 溜まった 小さな 水銀の 滴だけ ほら 震えている きぃん と 響いている 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon 【現代詩】「よく晴れた朝に」 次の季節は常にすでにすぐそばにきているイメージ 現代詩の試み またお

                                      【現代詩】「よく晴れた朝に」 次の季節は常にすでにすぐそばにきているイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                    • 最果タヒと佐々木俊が詩を語る。SNS時代の窮屈な言葉を解体する

                                      She isの更新は停止しました。新たにリニューアルしたメディア「CINRA」をよろしくお願いいたします。 ※この画面を閉じることで、過去コンテンツは引き続きご覧いただけます。 人は、その個人が持っている「言葉」で世界を捉えています。ならば、その人をつくるルールというのは、「言葉」でつくられているのではないか。だとすると、自分のなかの「言葉」の幅をどう広げ、どのように使っていくのかということが、その人の生きていくルールをつくっていくのかもしれません。 She isの1月特集「これからのルール」では、最果タヒさんに詩を書いていただき、佐々木俊さんがデザインをした「詩の水筒」をつくりました。多くの人がSNSを使い、「見られている」状況で言葉を発信することが当たり前になったいま、「わかりやすい言葉」や「他人が定義づけた言葉」をそのまま使ってしまうことも少なくない状況において、自分の言葉で語る人が

                                        最果タヒと佐々木俊が詩を語る。SNS時代の窮屈な言葉を解体する
                                      • 【現代詩】「交叉/涯」 世の混乱の風景を切り取ったイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                        交叉/涯 (…雨 湿った埃の匂 今とともにある過去の 遠い地平の涯で集められた 人々の言葉が震えるいくつもの部屋を 不意に滑落する勢いで通り過ぎるとそこに 深い、廊下 凍えて 二つめの窓の前 風の音 目が、凝り 石の壁を滑り落ち砂礫に蹲る片足の少年は 引きちぎられた母のブルカに顔を埋め 身体にできた空洞の隅々を 硬い獣の尾で探った後 静かに泣いた (…哭 小さな妹が、泥水に口をつけ、震えていた (…やがて、霜が降りる…) …ああ…逃走の足取りは重くもつれ…冷たい風に流される二つの眼球となり…岩陰に潜む息に怯え…激しくここに巻き戻される… (…湿った、埃の、匂…、ここ、に…) 窓の外 打ちつける雨で歪んだ森 膨張し 収縮し と、少年が「私」達を振返る 遥か遠くを見る視線が 個々の「私」達を「過去」に埋める …その… …暗い「底」… ***** 正しいものに勝ってもらいたいのではなく、 ただ、

                                          【現代詩】「交叉/涯」 世の混乱の風景を切り取ったイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                        • 【現代詩】「響 砂 島」 古代の魚と石英の砂の海のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                          響 砂 島 遠く とおく きぃん きぃん と響く 静かな寝息をたてる 幻の白い女に似た 生まれたばかりの 光る深海魚 月からこぼれる光る砂に 赤犬は肩まで埋まって 頭に降りかかる砂を 耐えている 赤犬は 生まれる前の 意識がまだ 器官をかたちづくることを知らない 吃り 怯える目の先に なにかある 破断面の拡がる波の下で 無数の古代魚が ざわざわとしぶきをあげる くる 赤犬は 振り返る そこに 軋みながら 砂浜に乗り上げようともがく 黒い 巨大な 魚 果たされない 海の意図 叫びとともに 巨大な魚の影は 砂浜に沈む 裂け目の下の 古代魚が ゆっくりと口を開ける 崩れはじめた死体を脱ぎ捨て それは 立ち上がる 腕でもなく 頭でもない 柔らかで 崩れながら したたる のびる 死体から 抜け出たもの それを 腕として 頭として 愛すべき唇として 切り取るのは 青い月 の光 いや それは 愛に満ちた

                                            【現代詩】「響 砂 島」 古代の魚と石英の砂の海のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                          • マイクロソフトCEOも愛読─なぜコロナ時代のビジネスリーダーは詩を読むべきなのか | 必要なのは啓発本じゃない

                                            パンデミックが起きて以来、ビジネスがあまりうまくいっていない……そんな人にぜひ手にとってほしいものがある。詩集だ。独特な表現でわかりづらいと感じることもあるかもしれないが、詩を味わうことは実は、思考能力を鍛えるうえで役立つと科学的に解明されているという。 コロナ後の世界でビジネスリーダーが読むべきは啓発書ではなく「詩集」──その理由を米ビジネス誌が説く。 不安定で不確実な世界で私たちを導いてくれるのは… “親愛なるあなたに、できるだけよくお願いしたいのです。心の中にある未解決のものすべてに対して忍耐を持たれることを。鍵のかかった部屋のように、あるいは未知の言語で書かれた書物のように、問い自体を愛そうとすることを。答えを探さないでください……今は、問いを生きてください”──レイナー・マリア・リルケ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延によってもたらされた緊急事態は、解決を急がな

                                              マイクロソフトCEOも愛読─なぜコロナ時代のビジネスリーダーは詩を読むべきなのか | 必要なのは啓発本じゃない
                                            • 【現代詩】「雨に埋る空洞」 汽車に乗ってここから立ち去る子供たちのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                              雨に埋る空洞 冷たい風の吹く春の日 黒い皮袋 鉄の軌道を滑り 暗い穴 鉄の輪を握る白いひとがた の 枯れた枝に絡まる 蜘蛛の糸 空間の傷 一人暮しの春 窓硝子を歪ませる ぬるい雨に溶ける 空洞 次第に近寄ってくる音を怖れ 工場群の 遠く響く金属音に紛れこむ 真夜中の激しい腹痛 子供の頃 風が吹き去った後 木の下に不意に現れた 小さな猫 の死骸 立ち上がる鬼面の人影 暗い階段 温かく湿った布団 この 深い空洞から引きずり出す修学旅行 行きたくない 谷底 を滑る汽車の回転する座席 客が開け放たれた扉から 何人も 外に投げ出されそこに生まれたばかりの猫 の子が たくさん 捨てられて 獣の酸のような匂い 一群が空にゆっくり と落ち 谷が埋らない 捧げられた血や脂 は潤滑よりも抵抗と 汽車はまだ停車する駅/理由が ない、しかし 連結された石炭車にはもう 燃やすべきものが残っていない 遠く 獣の鳴き声

                                                【現代詩】「雨に埋る空洞」 汽車に乗ってここから立ち去る子供たちのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                              • 「夕焼、小焼」「負われて見た」ってどういう意味? 童謡「赤とんぼ」の謎、詩の背景に迫る

                                                大谷隆子さん(左)と声楽家の林裕美子さん。霞城館でのコンサートでも背景に大谷さんの聖人の絵が使われた=11月13日、たつの市龍野町上霞城 兵庫・龍野城下生まれの詩人・三木露風(1889~1964年)が「赤とんぼ」の詩を1921(大正10)年に発表して100周年。当時、童謡集「真珠島」に掲載された詩に基づき、今年最後のご当地新聞で、誰もが知る歌い出しにまつわる謎や詩の背景に迫ります。(直江 純) 「負われて見た、ってどういう意味?」 こう尋ねる子どもは多いという。「背負われて」。つまり、おんぶされてトンボを見たという意味だ。 おぶったのは誰か、という論争がかつてあった。「幼くして別れた母だ」という説もあったが、露風自身による解説文が見つかり、子守役の「姐(ねえ)や」だと判明して決着している。 だが、歌い出しには別の謎もある。「小焼」。どういう意味だろうか。 計13巻もある詳細な小学館の辞書「

                                                  「夕焼、小焼」「負われて見た」ってどういう意味? 童謡「赤とんぼ」の謎、詩の背景に迫る
                                                • 【現代詩】「何処」 暗い季節にじっと見つめていた先 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                  何処 一夜 星を見上げながら屈みこみ 吹き続ける冷たい風に耐え 遠くで木を打つ音を聞く 未明 ふと周りを見渡し ここ、はどこかと不安になる 僕はどこに屈みこんでいたのだ 誰も教えてくれない だから 立ち上がり また、歩き始めても 行き先は 誰にも言わない 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon 【現代詩】「何処」 暗い季節にじっと見つめていた先 現代詩の試み またお立ち寄りください。 どうぞご贔屓に。 dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩

                                                    【現代詩】「何処」 暗い季節にじっと見つめていた先 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                  • 【現代詩】「偽私」 発熱するだけの機械 なにも生み出さず  - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                    偽私 (…ぬるい寝床を走る繊毛… (…いくつもの眼、小さな歯… (…肌を焦がしながら分断し… (…、…、眠れない…、…、… 紐が捩れながら束になり 甘く肉の焼ける匂を追い 分散し数匹の蟻になり 穴を開け押し広げ潜り 「層」の断片を掘り出し 膨れ上がる赤い腫瘍 震える蟻塚 (…やがて落ちる「洞窟」… (…奥からの湿った風に怯え… (…重く流れる川、深い溝… (…何度も阻まれて… やがて辿り着く 遠く厚く溜まる「底」 冷たい指で胸を裂き 見慣れた横顔 (…「親」… が、立ちふさがる壁を突き抜ける、と 昨日の、まだ熱を吐く機械 (…「私」達… の群が渦を巻き それ、を取り囲み 同じ顔で、笑いながら 「私」を、押し潰す (…野性の「涯」で呼ぶ声に振り返り… (…渦の中心で腐り、崩れ始めた… (…無数の「胚」が… (…無数の「私」が… (…中心の穴から零れ落ち… また一人、「私」が浮かび上がる **

                                                      【現代詩】「偽私」 発熱するだけの機械 なにも生み出さず  - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                    • 獄死の詩人、尹東柱しのぶ 日韓の関係者ら献花 | 京都新聞

                                                      黒枠のラベルは、コンテンツホルダー自身が付与したものです。グレー枠のラベルは本文解析で自動付与されたものです。 同志社大留学中に治安維持法違反で逮捕され、獄死した韓国の国民的詩人・尹(ユン)東(ドン)柱(ジュ)(1917~45年)の記念碑建立2周年の集いが26日、京都府宇治市内であった。同市志津川の碑の前では日韓関係者が花を供え、両国の関係が冷え込んでいる今こそ歴史や現実と向き合い、心を通わせ合おうと誓った。 碑が建つのは尹が同大の友人とハイキングに訪れ、生前最後となった写真が撮影された天ケ瀬つり橋近くの河畔。「詩人尹東柱記念碑建立委員会」(代表・安斎育郎立命館大名誉教授)が12年かかって2年前に建立した。 尹の写真などが飾られた碑の前にはこの日、75人が集まった。献花や尹の詩の朗読を行った後、同志社中の生徒(14)が誓いの言葉を述べた。 ポップミュージックに引かれて韓国を好きになり、夏休

                                                        獄死の詩人、尹東柱しのぶ 日韓の関係者ら献花 | 京都新聞
                                                      • 死体は「脱ぎ捨てた洋服」、その後に残る深いもの 谷川俊太郎が向き合ってきた生と死:朝日新聞GLOBE+

                                                        自分が死んで死体になったらそれはもう自分ではない、という感覚が僕にはありますね。 死体は有機物だから、日本人の伝統的な感覚では、「土に還る」というのかな。脱ぎ捨てた洋服、抜け殻みたいなものという感じですね。 ただ、死んだ後には、魂のような何かが残ると思っています。 谷川俊太郎さん。昨年、デビューから70周年を迎えた=2022年12月、小暮哲夫撮影 「あ いるんだ」という詩を最近、書きました。亡くなった友人が、ふっと戻ってくる、現実感みたいなものを書いた詩です。 〈パソコンの中から/死んだ友人の/元気な声が聞こえてきた/あ いるんだ〉 〈見えなくても/聴こえなくても/触れなくても/すぐそばに〉 (詩から引用) それは、記憶や思い出よりも深いもののように思います。 だから、死は、瞬間的なものではなく、ずっと、生きることの中に後を引いているものじゃないかと思いますね。生から死へは、フェードイン、

                                                          死体は「脱ぎ捨てた洋服」、その後に残る深いもの 谷川俊太郎が向き合ってきた生と死:朝日新聞GLOBE+
                                                        • 戦後詩の始まりを確立した伝説の編集者とは 『回想の伊達得夫』 | BOOKウォッチ

                                                          現代詩に関心のある人なら、戦後に多くの詩集などを発行した「書肆ユリイカ」と社主伊達得夫の名前を聞いたことがあるかもしれない。本書『回想の伊達得夫』(青土社)は、伊達とも親交のあった詩人・弁護士の中村稔さんが、伊達得夫の人間像に迫った本である。 『二十歳のエチュード』出版の経緯 本書の表紙には、少し大きな文字で、こう書かれている。引用しよう。 「戦後の混乱期、神田の露地裏の木造二階建てのビルにもぐりこみ、自死した原口統三の遺著を出版して出発、不遇の稲垣足穂を愛しながら、窮乏に耐え、無名の若い詩人たちの詩集を次々に刊行し、戦後詩が始まる場所を確立した、特異な出版人・伊達得夫。彼の優しい心と陰影に富んだ人格の謎、不滅の業績を、親交のあった著者が情感豊かに解き明かす」 簡にして要を得た本書の紹介文だ。 本書は書肆ユリイカ時代の伊達得夫について記述した第一部と、生い立ちや旧制福岡高校・京都帝国大学時

                                                            戦後詩の始まりを確立した伝説の編集者とは 『回想の伊達得夫』 | BOOKウォッチ
                                                          • 結局のところ、吉増剛造とは何者なのか 詩人からの応答を聞け!(現代ビジネス編集部,吉増 剛造)

                                                            詩人が過去に書いた自分の詩に脚注(フットノート)を加える。痕跡を辿っていくなかで、過去に書かれた言葉は現在に反響して、再び新しい色を持ちはじめる…… 2023年6月10日(土)から9月10日(日)まで、群馬県・前橋文学館にて『脚注(フットノート)―吉増剛造による吉増剛造による吉増剛造』が開催されている。本展は詩業60年を超えた吉増剛造が自身をとりまくあらゆる人やものに向かって、応答を加え続ける展覧会である。 吉増剛造(よします ごうぞう) 1939年東京生まれ。詩人。 現代日本を代表する先鋭的な詩人として、国際的に高い評価を受けている。美術雑誌の編集者としての短いサラリーマン生活を経て、詩作に専念。1964年、第一詩集『出発』(新芸術社)を出版。『黄金詩篇』(思潮社、高見順賞受賞)などの初期作品では切迫感あふれる詩風で詩壇を席巻。中期以降はポリフォニー的構造の独特の文体を駆使し、「ことば」

                                                              結局のところ、吉増剛造とは何者なのか 詩人からの応答を聞け!(現代ビジネス編集部,吉増 剛造)
                                                            • 今週の本棚:堀江敏幸・評 『伽羅を焚く』=竹西寛子・著 | 毎日新聞

                                                              ◆伽羅を焚(た)く (青土社・2420円) わき上がる世の濁り見つめ直す勇気 月刊詩誌『ユリイカ』で「耳目抄」と題された竹西寛子の随想の連載がはじまったのは、一九七九年一月号。本書は第三〇一回(二〇一一年七月号)から第三三八回(二〇一六年八月号)までを収めるシリーズ十一冊目にあたる。あとがきによれば最後になるというこの一冊は、これまでで最も重い調べを奏でるものとなった。 不定期の休載があるものの、章ごとに掲載号が明記されているので、書かれた時期を正確に把握できる。震災、津波、原発事故、政権交代以後に顕著になった為政者における「言葉」の著しい劣化と、その劣化した言葉を体現する、強引で他者の言に耳を傾けない政治の現場に対する戸惑いと不安、というより、抑えに抑えた怒りに近い感情が、行間からにじみでてくる。

                                                                今週の本棚:堀江敏幸・評 『伽羅を焚く』=竹西寛子・著 | 毎日新聞
                                                              • 【特別対談】穂村弘×最果タヒ「ときめきと絶望を越えて」(穂村 弘,最果 タヒ) @gendai_biz

                                                                人気歌人として、エッセイストとしても活躍する穂村弘さんの伝説のデビュー歌集『シンジケート』の新装版が5月に刊行された。発売1週間で重版が決定するなど、30年以上の時を超えてもなお、新たな読者を獲得している。新装版刊行を記念して、穂村さんと詩人の最果タヒさんの特別対談をお届けする。 詩と短歌の違いとは? ──穂村弘さんの第一歌集『シンジケート』が、今年5月に新装版として刊行されました。本書は1990年に刊行され、近年の短歌ブームにも大きな影響を与えた歌集ですが、最果さんはいつごろ穂村さんの短歌と出会われたのでしょうか。 最果 詩を書き始めてから、大学生のころだと思います。当時、現代詩のサイトに詩を投稿していたのですが、そこで詩を書く人たちはみんな短歌も書いていた。私は短歌を読むのは好きだったけど、作るのは苦手意識がありました。そのころは自分がいいなと思ったものをピックアップしておくぐらいの感

                                                                  【特別対談】穂村弘×最果タヒ「ときめきと絶望を越えて」(穂村 弘,最果 タヒ) @gendai_biz
                                                                • 自由詩評 n個の性、そして恋の症候 斎藤 秀雄 - 「詩客」自由詩時評

                                                                  『現代詩手帖』のふたつのアンソロジー特集を読んだ。8月号が「現代詩アンソロジー2000-2009」、同じく9月号は「現代詩アンソロジー2010-2019」であった。所収作品は、アンソロジーの常として偏りがあるのかもしれないし、不足もあるのかもしれないが、おおむね楽しく読むことができた。のではあるが、同時に掲載されている、選者4名――瀬尾育生・野村喜和夫・小池昌代・蜂飼耳――によるふたつの「討議」、すなわち「二〇〇〇年代、詩に何が起こったのか」(8月号)、「10年代から現在へ――いま、詩は」(9月号)を読むあいだ、幾度となく、あの馴れ親しんだ「嫌な気分」に襲われることにもなった。ひとことでいうなら「何度これが繰り返されるのか」という脱力感・徒労感、すべてのひとびとが記憶喪失に陥っているのではないかという感覚、である――こういった体験には俳壇であれ歌壇であれTwitterのタイムラインであれ、

                                                                    自由詩評 n個の性、そして恋の症候 斎藤 秀雄 - 「詩客」自由詩時評
                                                                  • 日本文化をハザマで考える:第47回 アンソニー・スウェイト 東洋と西洋をつないだ詩人 | 毎日新聞

                                                                    ボクシング、剣道、空手などで鍛錬に励んだ三島由紀夫は、昭和41年ごろからボディービルで体を鍛え、男性美づくりに努力した=1966(昭和41)年 質問:陰鬱で、辛辣(しんらつ)なユーモアのセンスがある英国詩人、フィリップ・ラーキンと火山の噴火のように激しい小説家で戯曲家の三島由紀夫との共通点は何だろうか? 表面的には、たいしてないように思われる。 ラーキンは世の中に疲れた本好きが引きこもるように、イギリスのハル大学で司書として日々を過ごした。中国に行ってみたいと思うかと聞かれた時、海外旅行に興味のなかったラーキンは「行ってみてもいいな、同じ日に帰って来られるならね」と不朽の名言をはいたという。 対照的に三島は、エネルギーに満ち、活動的で、自身の軍隊を持ち、何度も世界中に長旅に出かけ、映画の監督をしたり、自身も出演したり、また武道で鍛錬した体はファッション誌のグラビアを飾ったりした。

                                                                      日本文化をハザマで考える:第47回 アンソニー・スウェイト 東洋と西洋をつないだ詩人 | 毎日新聞
                                                                    • 【現代詩】「駅/発酵」 旅立つ人も、帰り着く人も、もう誰もいない駅 - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                      駅/発酵 (…ああ、季節が、かわる… …散り積もった枯葉、を、掻き分けるように掘る、と、底、に… …じゅくじゅく、と、醗酵し始めた厚い腐葉土の層、さらにその、下、に… …雨、が、近づいてくる、その響きが指先に伝わる、雨は、深い底で、降っている… …鼻、先、を過ぎる風の、生臭さ、思いがけず、首筋を撫でる、風の、冷たさ… …不意、に、触れる、硝子、それは掘り出された、小さな窓、その中、に… …滑落、濡れた、冷たい床、木の長椅子、枯葉の壁が塞ぐ、出口のない改札口… …雨が、屋根を叩く音が、聞こえる、窓を塞ぐ枯葉の層が、ゆっくりと溶け… …改札口に、いくつもの人影が立つ、そして、静か、に、待っている… (…ああ、すべて、ここ、から… **** 深い森の中にある駅のイメージ。 その駅の奥には無数の機関車、電車、列車が停められている。 そして、長い時間の中で、朽ち果ててしまっている。 しかし、暗い夜、

                                                                        【現代詩】「駅/発酵」 旅立つ人も、帰り着く人も、もう誰もいない駅 - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                      • 【現代詩】「白 日」 詩を書き始めた頃の足掻きの記録として 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                        白 日 暑い日、どうでもいい書き物をしていると、あごの先から汗がまだ何も書いていない白紙の上にぽた、と落ちる、それを特に何を考えるでもなく指でなぞると、ゆらゆらと揺れるひとがたになる、それは、ぼうっとした白い光の満ちた空間に浮かぶひとがたになる、その足元には薄い影がみえて、ああ、そこには地面があるのだな、とわかる、そのひとがたは白い骨のようなかさかさに乾いた長い柄のシャベルを持っている、ひとがたのそいつはシャベルを両手で絞るように一度、固く握った。 そいつは白紙の表面に薄い影を落として立っている、そいつはゆっくりとした動作でシャベルを持ち直すと硬い刃先がきらりと光る、そいつはその刃をきらめかせるようにぶん、と振り回してみせる、そしてそいつの薄い影だけが浮かぶぼんやりとした地面にざく、と音をたてて刃を突き立てる、とそこに薄いしみのようなくぼみができた。 そいつはざくざくと穴を掘る、穴の縁は砂

                                                                          【現代詩】「白 日」 詩を書き始めた頃の足掻きの記録として 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                        • 短歌でさがす〝いまの気持ち〟朝日歌壇ライブラリ1995-2022:朝日新聞デジタル

                                                                          朝日歌壇から1995年以降の入選歌を集めた「朝日歌壇ライブラリ」を作りました。単語や作者名からお目当ての短歌を探したり、AI検索エンジンで今の気持ちに寄り添う短歌に出会ったり。歌づくりの参考になる一首や、あなたの支えになる一首を見つけてみませんか。

                                                                            短歌でさがす〝いまの気持ち〟朝日歌壇ライブラリ1995-2022:朝日新聞デジタル
                                                                          • ツチヤタカユキ powered by BASE

                                                                            第2詩集 マシュマロホイップ・ギャング 『ダイヤモンド・メロディー』 『群青花火』 『Re:Smells Like Teen Spirit』 『ロブスター・ガールフレンド4』 『不死身のポテトチップス』 『懲役一万年の犯罪』 『重力が逆転した、この世界では、涙は、空に向かって落ちていく』 『86℃≒メカゴジラの銀色の心臓』 『光の速度』 『ブルドッグ・シャングリラ』 『二十一世紀少女』 『五月雨の中の深呼吸』 『冨嶽三十ROCK景』 『マクドナルド・ジャンキー』 『サイボーグの永遠なる休息』 『世界を滅ぼすメテオ』 『時空警官と水面の中の爆発』 『微熱のクラゲ』 『銀河鉄道の朝』 『留守番電話サービスセンターで、生まれた化け物』 『ロブスター・ガールフレンド5』 『火の鳥とSEXして、焼け死ぬ夢を見た』 『呼吸屋さん』 『水死体の中の炎』 『INSOMNIA』 『世界モノトーン化計画』 『

                                                                              ツチヤタカユキ powered by BASE
                                                                            • 【元担当記者が悼む】あの有名な「道」 一体誰の詩なんですか?の質問への答えは私の“道”に - スポニチ Sponichi Annex 格闘技

                                                                              【元担当記者が悼む】あの有名な「道」 一体誰の詩なんですか?の質問への答えは私の“道”に

                                                                                【元担当記者が悼む】あの有名な「道」 一体誰の詩なんですか?の質問への答えは私の“道”に - スポニチ Sponichi Annex 格闘技
                                                                              • 同人誌が完成しました - 肉芽観察記

                                                                                無人は詩人の白井明大さんに背中を押された数人が人を募って集まった詩や文芸、芸術の同人だ。不思議と、しばらく詩を書いていなかったり、書けなかったり、自らの詩学に行き詰まった人々が多かった。私もその一人で、リハビリとしての詩は書けても、自分の納得いくものは書けていなかった。二つ返事で参加を表明した。 同人を組むぞーとなってから、はて、名前はどうしようとなりウンウン唸っていたら、そのときにFBのグループ名が無人島、であったことと、東日本大震災のことをだぶらせて、「無人はどうだろう」と提案してみた。紆余曲折あり、無人に決定したとき、人がいるのに無人というのは矛盾だけど、その矛盾を引き受けることこそ、震災後の詩を書くことに繋がるだろうと、私は思った。 それから毎月合評会を開いてお互いの詩の感想を言い合ったりしていたのだが、無人のサイトのデザインや諸々をめぐり、2名が脱退、コアメンバー4人という寂しい

                                                                                  同人誌が完成しました - 肉芽観察記
                                                                                • Interview:谷川俊太郎さん 変わった言葉の質 全てを抱き取る詩の力 | 毎日新聞

                                                                                  ネット交流サービス(SNS)には短くて乱暴な言葉があふれ、政治の現場やメディアには軽くて無責任な言葉が飛び交う。現代の言葉の状況を、詩人の谷川俊太郎さん(90)はどう見ているのだろう。『人生相談 谷川俊太郎対談集』(朝日文庫)の刊行に合わせてインタビューを申し込むと、言葉の変化への懸念から、死や老いとの向き合い方まで、一つ一つの質問に丁寧に向き合ってくれた。【聞き手・関雄輔】 ――本書には1961~2004年に行われた対談が収録されています。父で哲学者の谷川徹三さんや、英文学者の外山滋比古さんらと、日本語や創作の話題からご家族の思い出まで、幅広く語り合っていますね。

                                                                                    Interview:谷川俊太郎さん 変わった言葉の質 全てを抱き取る詩の力 | 毎日新聞

                                                                                  新着記事