◇独居高齢者の増加背景 判断能力が低下した高齢者や障害者の財産管理などをする成年後見制度が始まって10年。頼れる身内がいない人のため、首長(市町村長)が後見開始を申し立てる事例が、県内で大幅に増えている。制度をさらに浸透させるため、後見の担い手の確保も必要になっている。 ◇担い手の確保も課題に 成年後見を始めるには家庭裁判所への申し立てが必要。親族による申し立てが一般的だが、身寄りがない場合や親族が拒否する場合、市町村長が申し立てることができる。家裁は、弁護士や司法書士らを後見人に選任する。 さいたま家裁によると、県内の市町村長による申し立ては、2005年度は28件で、全体(854件)の3%ほどだったが、昨年は174件で全体の1割以上を占めた。 背景には、所在確認が必要な親族を「4親等以内」から「2親等以内」に狭めるなどの要件緩和や、制度の周知が進んだことのほか、後見を必要とする人が増えて