かつて拉致被害者家族連絡会の事務局長であった蓮池透さんは、「家族会」のスポークスマンとして、時に強硬な姿勢と発言で、メディアに頻繁に登場していました。しかしその後、事務局長を辞め、家族会とも距離を置いていた蓮池さんは、今年5月に『拉致 左右の垣根を超えた闘いへ』(かもがわ出版)を出版されました。当事者による核心をついた問題提議の数々に、私たちは蓮池さんの覚悟を知りました。かねてより、この問題に関心を寄せていた森達也さんにインタビュアーになってもらい、対談形式でさらに深い問題と解決の糸口について考えていきます。3回に分けてお届けします。 蓮池 透●はすいけ とおる1955年、新潟県柏崎市生まれ。1997年より2005年まで「北朝鮮による拉致被害者家族会」の事務局長をつとめる。著書に『奪還 引き裂かれた二十四年』、『奪還 第二章 終わらざる闘い』(新潮社)、近著に『拉致 左右の垣根を超えた闘い