1972年の沖縄返還で米国側が本来払うとされた費用の一部を日本が肩代わりする「密約」を裏付ける日本側の外交文書が、22日の外交文書公開で明らかになった。元毎日新聞記者の西山太吉氏(79)の追及後も、一貫して存在を否定し続けてきた外務省の主張を覆す内容になっている。 公開されたのは、71年10月22日、外務省北米1課の担当者が、米国大使館員に申し入れた内容を報告した「極秘」扱いの文書。当時必要とされた米軍基地の施設改良費6500万ドル(当時のレートで234億円)について、担当者は「(日本が肩代わりする)65という数字が財務当局間の交渉で合意されている趣は承知しているが、我が方としては320(沖縄返還協定で決めた3億2千万ドル)以外に米国に支払う額はないと国会に説明する」と説明。「65という数字が存在するわけではないと説明することにしているので、米側においても言及は避けてほしい」と要請した。