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ブックマーク / tomomachi.hatenadiary.org (16)

  • ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 - 「千と千尋」はなぜ「湯女」なのか

    人は証拠や論理よりも、自分の信じたいことだけ信じる、という話の別例。 宮崎駿の『千と千尋の神隠し』に関しては柳下毅一郎の対談映画欠席裁判』その他で書いてきたとおり、娼館を舞台にした物語である。 しかし、そう指摘されると怒る人が多いんだ、これがまた。 主人公は「湯女」として働かされるのだが、国語辞典でも百科事典でも何でもいい。「湯女」という言葉を引いて欲しい。 たとえば『日大百科全書』にはこうある。 「温泉場や風呂屋にいて浴客の世話をした女性のこと。一部は私娼(ししよう)化して売春した」 『大辞林』にはこうある。 「江戸時代、市中の湯屋にいた遊女」、 『岩波古語辞典』だと「風呂屋に奉公し、客の身体を洗い、また色を売った女」。 「そういう見方もある」だの「そういう解釈もある」だのというレベルではなく、「湯女」とは「娼婦」を意味する名詞なのだ。 ただし、昔から風俗においては初潮前の少女は見

    ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 - 「千と千尋」はなぜ「湯女」なのか
  • 「華氏911」でいちばん怖い場面 - 映画評論家町山智浩アメリカ日記

    サンフランシスコで「華氏911」を見た時、会場がざわめいたのは、 シスコの対岸オークランドのメリット湖畔が映った時だった。 オイラの家があるあたりである。 要するにみんな「あっ、この近くが映ってる」と思ったので声が出ただけ。 メリット湖畔の芝生で一人の老人が、自分の体験を語る。 スポーツジムの井戸端会議で「ブッシュのAsshole」と言ったら、 それだけで、FBIに調査されたのだ。 実はオイラはこの場面がいちばん怖かった。 「華氏911」ではあまり強調されてないが、ブッシュ政権で最も恐ろしいのは 国民の思想を監視する「愛国法」が成立してしまったことである。 「愛国法」により、政府に求められたらネット・プロバイダーは利用者の個人情報を提供しなければならない。ネットの通販のデータや図書館の利用データ、クレジットカードの利用明細を政府は知ることができる。それに電話の盗聴も自由になり、すでに盗聴は

    「華氏911」でいちばん怖い場面 - 映画評論家町山智浩アメリカ日記
    reds_akaki
    reds_akaki 2012/12/15
    中絶に反対しテレビやラジオの番組内容を検閲し同性愛の結婚に反対し少数民族の雇用平等措置の撤廃を求めキリスト教を全国民に押し付け、其等に対する反対言論を締め付ける為に戦争を利用、本当はそっちのほうが目的
  • ■ - 映画評論家町山智浩アメリカ日記

    snowcrashさんという人が何度も何度も書き込みしています。 回答を求めているのでお答えします。 まず、snowcrashさんは 「少なくとも、猪瀬氏の態度が悪いからと言って脅迫するような人は「普通の市民」ではないですよね。」 と言っています。 オイラの文章の意味は「普通の市民が犯罪に走るまで追い詰めた猪瀬の不快さは、それこそ犯罪的だ」という意味です。オッサンが犯罪者になったのは「結果」だと思います。彼は脅迫でもする以外に自分の心を猪瀬から守る術がなかったと思うのです。 次に、snowcrashさんは、 「猪瀬氏を批判するならば、彼の発言についてここがおかしいと言わないと……)」 それに、 「村上隆氏や三代目魚武氏については彼らの作品を鑑賞した上で(単なるパクリじゃねーかとか)批判しているのに対し、猪瀬氏についてはも読んだことがなく、発言も理解できないが、とにかく態度が偉そうだという

    ■ - 映画評論家町山智浩アメリカ日記
  • 町山智浩「ザ・トップ5」に出演しました - 映画評論家町山智浩アメリカ日記

    今日は、コンバットRECくんがやってるTBSラジオの番組「ザ・トップ5」に出演して、「好きな映画の主題歌トップ5」を発表しました。 以下がその順位です。 第5位 第4位 第3位 第2位 第1位

    町山智浩「ザ・トップ5」に出演しました - 映画評論家町山智浩アメリカ日記
  • 町山智浩アメリカ日記 2004-02-21 猪瀬も村上も「自分は偉い」というテーマを表現するパフォーマー

    少し前、猪瀬直樹を脅迫して捕まったおっさんが逮捕されたが、 その動機は「とにかくテレビを見ていると猪瀬は偉そうで偉そうで、ムカムカしてどうしようもなかった」というものだった。 そのオッサンに政治的、思想的背景は特になかったと報道されたと思う。 猪瀬の思想や意見ではなく、猪瀬の立ち振る舞いが普通の市民を犯罪に走らせたのだ。 オイラはオッサンは被害者だと思う。 犯罪に走るほどムカムカさせた猪瀬のほうが加害者なのだ。 言論人でもない一介の市民がテレビでエラソー光線を発射して攻撃してくる猪瀬から心を守るには脅迫しかなかったのだ。 なぜなら猪瀬は全身から「オレは利口でお前らはみんなバカだ光線」を発してるから、見るだけで非常に傷つけられてしまうのだ。 猪瀬の態度は不特定多数への侮辱罪として有罪にできないんですか? オイラも、そのオッサンと同じく猪瀬のなど一冊も読んだことないし、テレビで言ってる政治

    町山智浩アメリカ日記 2004-02-21 猪瀬も村上も「自分は偉い」というテーマを表現するパフォーマー
    reds_akaki
    reds_akaki 2011/04/13
    ちなみにオイラは会田誠のファンです。彼はちゃんと美少女マンガも描けるし、口当たりのいいだけのものは作らないし、自分もさらけ出してるし、少なくとも彼は「オレは利口だ光線」は出してない。id:kgotolibrary
  • ZAKZAK反日記事のソースを調べてビックリ - 映画評論家町山智浩アメリカ日記

    時間の午前2時頃、僕のツィッターに@MdMdTmsという人から、以下のような質問がありました。 @TomoMachi この記事にある「反日感情が高まってる」というのは、当に同情が吹き飛んでる感じなのでしょうか?日ではオバマさんが大使館で記帳するニュースやってたのに… http://ow.ly/4hfo2 【米“放射能パニック”隠蔽政府にヒラリー激怒「信用できない」】 ↓こういう記事でした。 http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110318/plt1103181529003-n1.htm これに対して僕は、「アメリカで反日感情など高まっていません。在米の皆さん、そうですよね?」とツィートしました。 すると、在米だけでなく、世界中に住む人々から、以下のように答えが返ってきました。 ↓まとめ http://togetter.co

    ZAKZAK反日記事のソースを調べてビックリ - 映画評論家町山智浩アメリカ日記
  • 1980年、最初の仕事 - 映画評論家町山智浩アメリカ日記

    アニメのことを書いたのでいろいろ思い出したので忘れないうちに書いておこう。 オイラが生まれて初めてプロとして仕事をしたのは、たしかマンガ雑誌の欄外一行知識だった。 1980年、『ガンダム』の一年戦争が終わった年、大学一年生で当時18歳のオイラは、早大の漫研の先輩だった吉岡平氏に、編プロのスタジオ・ハードに推薦してもらったのだ。スタジオ・ハードは当時、マンションの一室だけだった。 創刊したばかりの「ヤンマガ」、それに白泉社の「少年ジェッツ」なんかの欄外をしばらく書いていた(「ラブシンクロイド」連載中)。もちろん原稿用紙に鉛筆で。 しかし、何を書いたかまるで思い出せない。 誰か持ってる人いませんか? (当時のバイクはスタジオ・ハードに借りたCB50)。 その後、学研の「アニメディア」という雑誌で毎月、特集記事のアンカーをやることになった。 ちなみにその仕事を紹介してくれた池野氏はその後、小川範

    1980年、最初の仕事 - 映画評論家町山智浩アメリカ日記
  • ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 - 2004-03-26

    TBSラジオの「ストリーム」という番組にレギュラー出演することになった。 週一回、国際電話でアメリカの事情を話すのだが、午後2時の放送なので会社勤めの人は聴きにくい時間帯。 生放送なのが心配だが。 ラジオといえば、去年、アメリカのNHKにあたるNPR(公共放送)に出演した。 http://www.animenewsnetwork.com/article.php?id=3809 番組のトピックはANIME(日のアニメのこと)。筆者は日のアニメ・ブームをリアルタイムで見てきた世代としてスタジオに呼ばれて、英米のアニメ評論家と討論した。参加者は“Anime Explosion”の著者でシカゴ在住のパトリック・ドレイゼン、“Hayao Miyazaki”の著者でロンドン在住のヘレン・マッカーシー。それにリスナーの電話にも答えた。 話が始まってすぐ、彼らとの間に深いギャップがあるのに気づいた。た

    ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 - 2004-03-26
  • 風忍が描く「骨法対ゴジラ」! - 映画評論家町山智浩アメリカ日記

    ゴジラのことを書いてて思い出しちったよ。 オイラ、たしかビオランテの頃、馬鹿な作ったんだ。 その名も『Theゴジラcomic (宝島コミックス)』。 オイラがやりたかったのは、70年代初めの特撮やアニメのコミカライゼーション。 アレですよ、石川賢の『ウルトラマンTタロウ』で、タロウが敵の怪獣の頭に手を突っ込んでビル街を血と脳漿でグチャグチャにしたり、桜多吾作の『マジンガーZ』シリーズで、兜甲次たちが世界中を敵に回してゲリラ国家みたいになったりするでしょ。 まるでシド・ヴィシャスがシナトラの『マイ・ウェイ』を歌ったような、そんな暴走カバー・バージョンが満載された『冒険王』を床屋で狂ったように読んでたわけ。 つまり、当時の漫画家はガキ向けテレビ番組をマンガにしろと言われて、つまんねーなあと思うのではなくて、逆に「それって、タイトルさえ同じなら何を書いてもいいってことじゃん!」と、子供向け雑誌

    風忍が描く「骨法対ゴジラ」! - 映画評論家町山智浩アメリカ日記
  • ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 - チャップリン フェラチオ ロリータ

    チャップリンは生涯4回結婚した。 29歳の時、16歳のミルドレッド・ハリスと最初の結婚をした。 35歳の時、16歳のリータ・グレイと二回目の結婚をした。 47歳の時、25歳のポーレット・ゴダードと三回目の結婚をしたので、ちょっと病気が治ったかと思ったら、 54歳の時、17歳のウーナ・オニールと4回目の結婚をした。 年の差、実に37歳。 アメリカでフェラチオという行為に市民権を与えたのはチャップリンだ。 二番目のリタとの離婚裁判で、リタは法廷で、まだ16歳の彼女に「おぞましい行為」を強要したと訴えた。 それがフェラチオだった。 ピューリタンの伝統を守るアメリカはヨーロッパ以上に保守的で、 表向きにはフェラチオなんて行為は存在しないふりをしていた。 しかし、チャップリンのおかげで初めてその存在が公になったのだ。 そして裁判では、その行為自体の違法性は認められなかった。 よかったよかった。 チ

    ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 - チャップリン フェラチオ ロリータ
  • 廃墟写真家・丸田祥三の作品を小林伸一郎が盗作 - 映画評論家町山智浩アメリカ日記

    廃墟写真家の丸田祥三くんが、最初の作品集「棄景」とその続編に掲載された写真を、小林伸一郎というベテラン写真家に盗作されて裁判しています。 実は丸田君のその二冊の写真集を編集したのはオイラなんだよね。 じゃあ、オイラも被害者のようなもんじゃん! 97年以降は日にいないから、そんなパクリが出てるなんて知らなかったよ。 事件の概要はここ↓ http://haikyo.kesagiri.net/ そのサイトから引用した酷似した写真の例です。 左は丸田祥三が1987年に撮影。1993年の写真集「棄景」に収録。右は小林伸一郎が1995年に撮影。1998年の「廃墟遊戯」(メディアファクトリー刊)に収録。 両者の作品を比較したビデオ。 単に構図や光をパクっただけではない。廃墟写真はその廃墟を見つける作業も込みの作品なのだ。 http://sky.geocities.jp/pakuricamera/pa

    廃墟写真家・丸田祥三の作品を小林伸一郎が盗作 - 映画評論家町山智浩アメリカ日記
  • 回転ドア一つで家が買える - 映画評論家町山智浩アメリカ日記

    バンダイの社員は、一般のサンライズの社員より給料が高くて 小学館や集英社や講談社の社員は、一般の漫画家や小説家より年収が高くて レコード会社の社員は、一般のミュージシャンより年収が高くて 芸能人のエージェントは、一般の芸能人より年収が高くて マネージャーは、一般のエンジニアより年収が高くて 広告代理店の営業マンは、一般のクライアントより年収が高くて 銀行員は、一般の顧客より年収が高くて 弁護士は、一般の依頼人より年収が高くて 役人は、一般の市民より年収が高くて 実際にものを作る人は中間にいる奴らよりも給料も安くて、 年金も安くて、退職金も出ない。 そうやって大企業や役所や金融が「作り手」から吸い上げた金は、 給料として職員に還元されるならまだしも、 ほとんどは企業やお役所そのもののものになる。 たとえば都心に立ち並ぶデカいビル。 夜になるとカラッポだ。 そこに働く社員はせまい家に暮らしてい

    回転ドア一つで家が買える - 映画評論家町山智浩アメリカ日記
  • ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 - 「わかってもらえるさ」RCサクセション

    今年のアカデミー賞で作品賞ほかにノミネートされている映画『グッドナイト&グッドラック』は、マッカーシー上院議員による「赤狩り」が吹き荒れる50年代を舞台に、政治的な傾向のあるマスコミ関係者が次々と社会主義者と決め付けられて弾圧されるなかで、マッカーシーに敢然と立ち向かったCBSのキャスター、エド・マローの勇気を描いている(詳細)。 しかし、なぜ、今、50年も昔のことを映画に? 製作・脚・出演のジョージ・クルーニーは、赤狩りの恐怖のためにマスコミ関係者が政府批判を避けるようになった50年代が、対テロ戦争の下、マスコミがブッシュ政権を批判しなくなった現在の状況とが似ていると考え、ジャーナリストに当の役割を思い出させるためにマローのことを映画化しようとしたのだ(クルーニーは大学まではキャスター志望)。 この『グッドナイト&グッドラック』のシナリオをクルーニーと共同で執筆したグラント・ヘスロヴ

    ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 - 「わかってもらえるさ」RCサクセション
  • 押尾学の件で罪と罰について考える - 映画評論家町山智浩アメリカ日記

    女性がベッドで全裸で死んでいたわけだから、要するにその女性とセックスしようとして薬を飲ませたら死んでしまったんですね。 薬を与えたのは彼だとはいえ、彼女を傷つける気はなかったんだから、刑法では過失傷害致死になるんだろう。 過失傷害致死で法定されているのは50万円以下の罰金刑だけで、懲役刑は法定されてない。 すると麻薬取締法違反のほうが重い刑になるから、警察もそっちのほうを重要視してるんだろう。 まあ、民事でも女性の遺族に訴えられて賠償を請求されるだろうけど、 遊びのために女性を死なせてしまった罰が罰金だけというのは軽すぎないか? 追記:後から供述を変えて、その薬は死んだ女性が持ってきたんだと言い始めたね。 死人に口なし、ってやつかい。

    押尾学の件で罪と罰について考える - 映画評論家町山智浩アメリカ日記
  • 電車の中で自分と同じ本を読んでる人と出会う確率。 - 映画評論家町山智浩アメリカ日記

    オイラ、これだけ長い間生きていて、電車の中で自分と同じを読んでいる人と会ったことは一度もないんだけど……。 http://atomicdog.exblog.jp/9035673/ ↑うれしいなあ! それだけ売れてるって思っていいのかな。 年明けに太田出版から「USAカニバケツ」の第2弾になる100コラム集が出ます。 タイトルは「キャプテン・アメリカはなぜ死んだのか/悪夢と夢の超大国」。 1月には集英社から新書が出ます。師と仰ぐ越智道雄先生との対談でアメリカ歴史と大統領についてです。 その後はやっぱり集英社から『Sportiva』に8年も連載してきたスポーツコラムがになります。 あと、『アメリカ特電』の映画語りもになります。これは廣済堂出版から。 もちろん『映画の見方がわかる』の次集も09年中に出します。 最初は90年代暴力・犯罪映画篇です。 ……がんばりまーす(小声)。 あと、オ

    電車の中で自分と同じ本を読んでる人と出会う確率。 - 映画評論家町山智浩アメリカ日記
  • 口径9ミリの回転式拳銃? - 映画評論家町山智浩アメリカ日記

    (時事通信社 - 05月19日 12:01) 警察官ら4人が拳銃で撃たれ死傷した愛知県長久手町の立てこもり事件で、逮捕された元暴力団組員大林久人容疑者(50)が使ったのは口径9ミリの回転式拳銃とみられることが19日、県警捜査1課などの調べで分かった。 「口径9ミリの回転式拳銃」などというものは存在しない。 これは警察発表なのだが、おそらく「口径9ミリの自動拳銃」か、「38口径の回転式拳銃」の間違いだろう。 口径9ミリの拳銃弾は自動拳銃用で、 回転式拳銃の場合、9ミリに近い口径の弾丸は、38口径だ。 38口径とは、0.38インチという意味。 どうでもいいけど、気になったので。

    口径9ミリの回転式拳銃? - 映画評論家町山智浩アメリカ日記
    reds_akaki
    reds_akaki 2007/05/19
    二十六年式拳銃
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