言葉が幼い、落ち着きがない、情緒が不安定。 育ちの遅れが見られる子に、どのように治療や養護を進めるか。 講談社現代新書のロングセラー『発達障害の子どもたち』では、長年にわたって子どもと向き合ってきた第一人者がやさしく教え、発達障害にまつわる誤解と偏見を解いています。 ※本記事は杉山登志郎『発達障害の子どもたち』から抜粋・編集したものです。 薬物に対する態度 ここで解説を試みるのは薬物の用い方ではあるが、薬物療法に関する薬理学的な解説や発達障害児への使用に関するテキストとしての解説ではなく、どちらかというと非常に主観的な、いわゆる薬の使い方およびさじ加減とでも言うべき内容に関して、筆者の現在の考えを正直に伝えたい。 発達障害の子どもたちをたくさん診察している医者の側が、薬物療法というものをどのように考えているのかという内容は、薬物療法を受ける側の方々にも知っておいていただくのが良いと思う。
