シンポジウムでは死刑制度をめぐり、犯罪被害者遺族の磯谷富美子さん(中央)らが意見を交わした =17日、東京都千代田区(滝口亜希撮影) 犯罪被害者支援弁護士フォーラムのシンポジウムが17日、東京都千代田区で開かれ、平成19年に「闇サイト殺人事件」で一人娘を奪われた磯谷富美子さん(65)が「愛する家族の命を奪った加害者に対しても死刑反対といえるのでしょうか。自分の問題として考えてほしい」と訴えた。 日本弁護士連合会(日弁連)は10月、「2020年までに死刑制度の廃止を目指すべきだ」とする宣言を採択。終身刑などの導入を検討するよう求めている。 磯谷さんは、長女の利恵さん=当時(31)=が男3人に拉致され、ハンマーで頭を数十回殴られるなどして殺害された状況を説明。「あえてむごい内容をお話ししたのは、死刑反対と軽々しく口にしてほしくないからです。終身刑といっても誰が彼らを養うのか」と宣言に疑問を呈し
被害者支援が先決 日本弁護士連合会が10月7日、「2020年までに死刑制度の廃止を目指し、終身刑の導入を検討する」とする宣言を採択し、死刑廃止に向けて活動していく方針を初めて明確に打ち出した。木村保夫副会長は採択後の記者会見で「国民の理解が得られるように犯罪被害者の支援を拡充する」と発言したが、その言葉通り、まずは被害者支援の拡充に力を尽くしてほしい。その前提がなければ、刑罰のあり方を巡る国民的な議論は進まないはずだ。 私は過去に2度、犯罪被害者支援に関する「記者の目」を書いた。1度目は中部本社報道センターに在籍中の03年11月。前の月に犯罪被害者遺族らが大津市で開催した「生命のメッセージ展」を取材したことがきっかけだった。 会場には、犯罪によって命を奪われた故人の靴が108足並んでいた。小さな子供の靴、運動靴、婦人靴、革靴。汚れがついていたり、擦り減っていたり。生前、その靴を履いていた人
11月11日、熊本で死刑囚に刑の執行がなされた。金田勝年法相就任後の初の執行となった今回、さる10月7日に「死刑止宣言」を採択した日本弁護士連合会(日弁連)が抗議声明を出したほか、その宣言に批判的な「犯罪被害者支援弁護士フォーラム」も見解を発表。幾つかの新聞もそれぞれ論評を行うなど、「死刑廃止宣言」を機に死刑論議が活発になっている現状をうかがわせた。 この間、「死刑廃止宣言」を批判する立場からキャンペーンを展開しているのが産経新聞だ。死刑廃止宣言に対しては10月12日の「主張」で「死刑廃止宣言 国民感情と乖離している」と反対を表明。11月9日には関東弁護士会連合会と九州弁護士会連合会のアンケートデータを「死刑廃止 過半数達せず」と報道。実は弁護士会でも死刑廃止は過半数に達していないとして、「宣言の妥当性が改めて問われそうだ」と批判した。 確かに日弁連内部にも死刑廃止宣言に反対の弁護士はおり
日本弁護士連合会(日弁連)の死刑廃止宣言をめぐる朝日新聞の社説について、犯罪被害者や遺族の支援に取り組む弁護士でつくる「犯罪被害者支援弁護士フォーラム」が、「誤った知識と偏った正義感に基づく一方的な主張」として、近く朝日新聞に公開質問状を出すことが17日、分かった。日弁連は7日の人権擁護大会で「2020年までに死刑制度の廃止を目指すべきだ」とする宣言を採択。しかし、同フォーラムや遺族からは「被害者の人権への配慮がない」などと反対する声が上がっていた。 朝日新聞は9日付朝刊で「死刑廃止宣言 日弁連が投じた一石」とする社説を掲載。宣言が採択されたことを「大きな一歩を踏みだした」などと紹介。また、犯罪被害者を支援する弁護士らから抗議の声が上がっていることに触れ「そのうえで望みたいのは、宣言をただ批判するのではなく、いまの支援策に何が欠けているのか、死刑廃止をめざすのであれば、どんな手当てが必要な
瀬戸内寂聴「殺したがるばか」発言の何が問題なのか?“被害者感情”を錦の御旗にした死刑・厳罰化要求の危うさ 作家の瀬戸内寂聴の発言が大きな批判を浴びている。6日、日本弁護士連合会(日弁連)が福井市内で開催した死刑制度存廃をめぐるシンポジウムにビデオメッセージを寄せ、死刑制度を批判したうえで、このように述べたためだ。 「人間が人間の罪を決めることは難しい。日本が(死刑制度を)まだ続けていることは恥ずかしい」 「人間が人間を殺すことは一番野蛮なこと。みなさん頑張って『殺さない』ってことを大きな声で唱えてください。そして、殺したがるばかどもと戦ってください」 この「殺したがるばかども」発言について、会場にいた全国犯罪被害者の会(あすの会)のメンバーや犯罪被害者支援に取り組む弁護士らが「被害者の気持ちを踏みにじる言葉だ」と反発。これを受け、日弁連も翌日の人権擁護大会のなかで「犯罪被害者への配慮がなか
死刑が1年8ヶ月ぶりに執行された。下関駅殺傷などの3人だ。民主党政権下では2回目だ。 法務省は、3月29日(木)午前、東京、広島、福岡の各拘置所で死刑を執行したと発表した。小川敏夫法相は、「国民の声を反映」と言ってるが、国会会期中の執行は異例だ。 産経新聞(3月30日)は「主張」で、「法相は粛々と職責全うを」と言っている。執行は法律に基づく当然のものだし、今後も法相は粛々と職責を全うしてほしいと言う。 又、言う。 〈昨年はついに19年ぶりの「執行ゼロ年」となり、死刑確定者が130人を超えてる異常事態が続いていた〉 じゃ、去年も執行すべきだったと言うのだろう。130人を超え、毎年執行されていたのに、あえて去年は執行しなかった。 それは、東日本大震災があったからだ。 多くの人が亡くなり、国中が悲しみに沈んでいる時に、(たとえ凶悪犯でも)国家の手で殺すことを差し控えたのだ。 いうならば、「政治的
1956年生まれ。テレビディレクター、映画監督、作家。ドキュメンタリー映画『A』『A2』で大きな評価を受ける。著書に『東京番外地』など多数。 森達也 リアル共同幻想論 テレビディレクター、映画監督、作家として活躍中の森達也氏による社会派コラム。社会問題から時事テーマまで、独自の視点で鋭く斬る! バックナンバー一覧 元最高検検事、土本武司・筑波大学名誉教授の発言 この10月、大阪で起きたパチンコ店放火殺人事件の公判に、「絞首刑は残虐な刑罰を禁じた憲法に違反する」と主張する弁護側の証人として、元最高検検事の土本武司・筑波大名誉教授が出廷した。自ら死刑執行に立ち会った経験を踏まえながら、「(絞首刑は)正視に堪えない。限りなく残虐に近いものだ」と証言した土本は、死刑制度そのものについては「憲法は、法律によればどんな刑罰も科せるとしている」と肯定しながらも、「残虐でないことを担保するような方法でなけ
■編集元:ニュース速報板より「被害者遺族「死んで償え!死刑執行ボタン押させろ!反省しただと?だからなんなんだよ!」」 1 建築物環境衛生”管理”技術者(catv?) :2010/08/28(土) 09:13:59.30 ID:qy7//l+hP ?PLT(12001) ポイント特典 対論『死刑制度』 死刑制度存廃をめぐっては、事件や死刑囚とかかわった人たちが、自らの体験に基づきそれぞれの思いを抱いている。 犯罪被害者遺族の松村恒夫さんは「死刑囚は死をもって償うべきだ」と主張。これに対し、死刑廃止を求める弁護士の大谷恭子さんは 「制度として人の死を選択できることは、認めてはいけない」と訴える。 ◆弁護士・大谷恭子さん『人の死選択できない』 「死刑という国家による人為的な死に、国民がどう関心を向けていくのかは、この国の大きなテーマ。 死刑制度が存置されているために今は、それ
さすがに「密行主義」と言われるだけの法務省である。今日の午前、東京拘置所の刑場が「一部公開」された。何度問い合わせても回答のないフリーランスや海外メディアには黙って、「縛り」のきく記者クラブだけを対象として、「抜き打ち記者クラブ限定取材」をさせたのだ。スチールとムービーカメラは1台づつの代表取材だったようで、撮影は法務省の許可する範囲で行なわれた。 外の見えない黒テープで窓を覆われたマイクロバスで刑場に案内された21人の記者たちは、まず「教誨室」に通されたという。私たち、衆議院法務委員会は03年、07年と2回にわたって東京拘置所の「刑場」を見ているが、一度も案内されたことのない場所だ。そして、死刑囚が拘置所長から「死刑執行命令」を宣告される控室(前室と呼ぶらしい)から、刑壇(下に落下していく踏み板がある)の部屋にも入り、ボタン3つの写真も撮影されている。少し前まで法務省は、ガラスで隔てられ
千葉景子法務大臣は、死刑廃止を推進する議員連盟の会員である。その千葉大臣から、就任直後に秘書を通して「脱会届け」を受け取ったのは私である。後に会った時には、「立場が立場ですから」と言っていた。まさか、「死刑執行の準備」のためだとは思わなかった。千葉大臣は、就任直後から「死刑制度について国民的な議論を行いたい」としながら、同じ民主党の国会議員が死刑廃止議員連盟を代表して会いたいと言っても、会いたがらなかった。国民どころか、与党の国会議員とさえ死刑問題を議論した気配がない。いや、その機会を避け続けてきた。 そして、25日で終了した参議院議員の任期切れの1日前、24日に死刑執行命令にサインをした。そして自ら執行命令を出した2人の処刑現場を立ち会ってきたという。「死刑の執行は適切に行なわれ、私自身自らの目で確認させていただき、あらためて死刑に関する根本的な議論が必要だと感じました」(記者会見)と語
最近なにかと話題に上ることが多い東京拘置所。先日初公判から16年目にして、ついに死刑が確定した「幼女連続殺人事件」の宮崎勤被告やオウム事件の松本智津夫被告、一連の逮捕劇で世間を驚愕させたホリエモンこと、ライブドア前社長の堀江貴文容疑者も東京拘置所に収容されている。 宮崎勤被告に松本智津夫被告・・・両者とも凶悪犯罪に手を染めた人物のはずだけど、どうして「拘置所」に入っているんだろう? なんで「刑務所」に入らないの? それは、容疑が確定していないから。そもそも「刑務所」というところは、裁判で有罪が宣告され、自分の刑が決まった人が収監される場所。対して「拘置所」は、まだ刑が確定していない未決囚(=被告人)が収容される場所なのだ。しかし、例外として、拘置所の中にも服役囚がいる場合がある。例えば、移送先がまだ決まっていない服役囚や、ご飯の配膳係など、職員として拘置所内で「お勤め」をする服役囚である。
ある場所で、B氏が「死刑反対論者は被害者のことを少しも考えていない」という内容の歌を歌って拍手喝采を浴びた。 そこで私としてはあれこれと反論を考えたわけです。 いつも思うのだが、「死刑反対論者は被害者のことを考えていない」と言うのなら、だったら死刑に賛成のあなたは被害者のことを考えているんですか、考えているとしたら被害者のために何かしているのですか、と聞きたい。 そして、「死刑反対論者は被害者のことを少しも考えていない」としたら、死刑に反対している被害者遺族も被害者のことを考えていないことになるし、シスター・プレジャンのように被害者支援をし、被害者から信頼されている死刑反対論者も被害者のことを考えずに被害者支援をしているということになってしまう。 そもそも殺人事件の4割は加害者が家族、つまり被害者遺族が同時に加害者家族でもある。 この人たちの多くはおそらく死刑を求めていないだろうと思う。
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