旧字の「萬」は人名用漢字なので、子供の名づけに使うことができます。新字の「万」は常用漢字なので、やはり子供の名づけに使うことができます。つまり、「万」も「萬」も出生届に書いてOK。でも「萬」が人名用漢字になるまでには、かなり長い時間が必要だったのです。 昭和21年11月5日、国語審議会は当用漢字表を答申しました。この時点の当用漢字表は手書きのガリ版刷りでしたが、新字の「万」が収録されていて、直後にカッコ書きで旧字の「萬」が添えられていました。つまり、「万(萬)」となっていたわけです。ただし、この「萬」は、くさかんむりの真ん中が開いた字体になっていました。国語審議会が答申した当用漢字表では、くさかんむりは全て、真ん中が開いた4画の字体だったのです。 翌週11月16日に内閣告示された当用漢字表でも、やはり「万(萬)」となっていましたが、「萬」のくさかんむりの真ん中はつながっていました。印刷局が